過去ログ - 春香「リボンを結んで」〜オーソドックスガールズストーリー〜
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39:1 ◆6VUvxtY276[saga]
2012/08/01(水) 21:53:52.57 ID:WI1DiE0Q0

「千早、ここから先はお前には辛い話になるかもしれない。退席するなら今のうちだぞ」

 俺は一応千早を気遣う。あずささんと律子は大丈夫だと思うが、歌をアイドル活動の軸にしている千早は
そうではないかもしれない。

「構いません。春香と会った時に覚悟していましたから。プロデューサーは春香に、今の業界を変えて欲しくて
 スカウトしたんですよね?でも私も簡単に変えられるつもりはありません。この状況から、またボーカリスト
 として大きく成長するチャンスを探そうと思います」

 千早は笑顔で答えた。こいつは本物の歌バカだな。でも千早自身も、今の業界の閉塞感を感じているようだ。
それに彼女自身、最近伸び悩んでいるようで打開策を探しているらしい。ピンチをチャンスに変えることが
出来てこそ本物のプロだ。

「はっはっはっ、実に頼もしいね。それでこそトップアイドルだ。では遠慮なく言わせて貰おうか」

 社長はひとしきり笑った後、真剣な顔になって全員を見渡した。俺達は息を呑む。

「天海君の育成は、スタッフもアイドルも関係なく事務所総出で行う。具体的には天海君をリーダーに、如月君
 と菊地君で三人組のユニットを組んでもらおうと考えている。それから彼女達のプロデュースは律子君が担当
 したまえ。代わりに彼が竜宮小町のプロデューサーに変更だ」

「「「は?」」」

 あまりにも突拍子もない言葉に、俺と律子と千早はついつい社長相手という事も忘れて聞き返してしまった。
律子の隣ではあずささんが「あ……、あ・ら・あ・ら……」とぎこちない笑みを浮かべている。まさか春香の
育成がいきなりユニットとは。しかも千早と真と組ませるだって?春香が壊れてしまわないですか?

「大丈夫だよ。天海君はそれくらいで壊れたりはしない。それに如月君と菊地君も、天海君と組むことで
 良い影響を受けるはずだ。ちなみに私が天海君のプロデュースの総指揮を執る。久々に腕が鳴るねえ」

 指をポキポキ鳴らす社長。まさか社長まで出動する事態になるとは。これは大変なことになってきたぞ……
まだ事態が上手く理解出来ない俺達のドア一枚向こうでは、ようやく春香のリボンが決まったようだった。




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