過去ログ - 天井亜雄「私は、何を為すのだろうか」
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42: ◆n7YWDDtkCQ[saga]
2012/08/03(金) 14:16:41.49 ID:U91dfb3e0

・再開します
 今日もよろしくお願いします
 多分夕方くらいまでになります


ボーリング場の外には変わらず学生達の影が見える。
看板代わりの巨大なピンを目指して歩き、多少は区の外れの方に来ていたのだが人足は絶えない。
桃や紺、色々のコートが忙しなく行き交っている。

天井「日暮れまでそう無いというのにまだ賑わっているんだな」

青髪「そーいうところがオッサンなんやて。ここはいつも人一杯や」

アーケードの下ならともかく、建物から出たばかりの身体にはビル風が染みる。
気温のピークの二時を過ぎれば後は冷えていくだけだ。
実用性より装飾を重視した服装の少女は自身を抱くように腕を組んだ。

布束「Oh, bother! 出る前に次の行き先を決めておくべきだったかしら……あら?」

ぱた、と編み上げのブーツの歩調が乱れた。
立ち止まり細い路地の向こうをじっと見詰めている。

青髪「そっちは何も無い……ちゅうか区境の方やで」

天井「第十九学区だったか? 繁華街の裏手が寂れた地区というのはまるで図ったようだな」

街自体に何か目に付くものがあったのかと二人で学園都市の略図を脳に浮かべる、が。
そうではないと布束は首を振った。

布束「今、女の子が横切ったのよ。Somewhat, なんだかふらついていたような……」

青髪「何やて!? 具合が悪いのかもしれへん、助けに行かんと!!」

真剣な様子で駆け出す少年。
言動は至極正しいのだが、普段の台詞を知っていると――

天井「私達も行くか。見てすぐに駆け寄らなかったということは今にも倒れそうな様子ではなかったんだろう?」

布束「ええ」

ともあれ、布束を伴って後に続く。
路地を一本入れば別世界、というのはアミューズメントに特化した第六学区では必ずしも当てはまらない。
だが隣区に近いここでは街並みの雰囲気も混じりあい、一気にうらぶれた空気が濃くなった。
ビルの壁、清掃ロボットの届かない高さを落書きや張り付いたガムが占めている。

その子を見付けたらさっさと元の通りに戻った方が良さそうだ。





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