過去ログ - 天井亜雄「私は、何を為すのだろうか」
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6:※シャープ忘れて酉晒したので変えてます ◆n7YWDDtkCQ[saga]
2012/08/02(木) 15:31:06.54 ID:AIXfaF/70


偶然だ、いや必然だ。

例えば本当にただの符合。
例えば被験者への一種の口止めとして幻生はテレスティーナを養子にし、それなりの肩書きを与えている。

天井は数日迷った末に木山のメールアドレスを呼び出した。
そこに意味が存在するかを判断するのは生徒を助けるべく奔走している彼女本人であるべきだ。


天井「忙しくなると言っていたのに呼び出してすまないな」

木山「いいや。情報提供なら歓迎だよ」

急いで来たのか彼女の頬は若干上気しており、しかし例の如く服を脱ごうとはしない。
研究室と体温の暑苦しさにも気が回らなくなっているようだ。

必ずしも直接話す必要は無く、テレスティーナの情報を示唆する情報源のURLを送るなどでも良かった。
だが互いに裏を覗いたことのある身、つい慎重になってしまうのだった。

天井「期待させておいて無関係だったら申し訳ないのだが」

PDAに書庫のデータを表示させ、渡す。
木山は少し汗ばんだ手で受け取り、画面に視線を落とす。
すぐにその目は眇められた。

木山「ふむ。確かに白とも黒とも断言できないね」

デジタルの情報を注視しながら、彼女の右手がテーブル上を彷徨っている。
……そういえば向こうも急いでいるかと今日は茶の類を出していない。
はっとしたようにPDAのサイドに戻る木山の手を何となく気まずく見送った。

木山「――だがありがとう、十分に価値のある内容だ。冥土帰しとも協力して調べてみよう」

上げた顔は表情だけで圧力を感じさせるようなものだった。
紙に芯を突き立てる鉛筆のように、真っ直ぐな目。

天井「…………あまり無理はするなよ」

それを受け止めるとあれこれが喉に詰まり、辛うじて口にできたのは一言だけ。
あぁ、と木山は席を立つ。

一、二ヶ月掛かるという準備。
それに、テレスティーナの調査。
冥土帰しの名を出したことは一人で危険には足を踏み入れないという意思表示なのかもしれないが。

天井(突飛なことをしなければ良いが)

去る背中を見送る。

水面下で子供のために動き続け、天井という協力者を強引に用意し、第一位にも臆さない木山である。
目標を捕らえた時の行動力は嫌というほど知っていた。





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