過去ログ - 【Fate】アースセル「聖杯欲すれば勝ち残れ」【安価とコンマで聖杯戦争】 -SS速報VIP

過去ログ - 【Fate】アースセル「聖杯欲すれば勝ち残れ」【安価とコンマで聖杯戦争】

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864: ◆O6YGw3f20A[saga]
2012/08/10(金) 21:59:06.63 ID:XvTcgFqGo
>>判定：9　結果：クリティカル

凛と桜が同時に目を開ければ、そこは剣の墓場とと言えば良いのだろうか
地平の彼方まで突き刺さる剣の丘に、空には錬鉄を続ける巨大な歯車が回っている

これが、『アーチャー』の世界

桜「…きれい―――」

桜は、この荒野を美しい―――そう思った
自分のサーヴァントはきっとただ一つだけを磨き続けたのだろう
その結果がこの世界なのだ

桜「…姉さんは、私がいなかった一年間はどうだったの？」

言いたいことはたくさんあった
苦しい事も辛い事も、たくさんたくさんあったのだ

でも…それでも…
桜の黒い感情は、まるでこの世界に吐き出されたかのように消えていく

―――何を忘れていたのだろう
私は…こんな弱い事を言うためにここに来たんじゃない―――

だから、姉がこの問いにどんな答えを返したとしても受け入れよう
貴方と姉と『アーチャー』の背中に追いつくために―――！

凛「…じゃない！」

聞こえない！聞こえないよ―――！姉さん―――！

凛「苦しかったに決まってるじゃない！」
凛「寂しかったに決まってるじゃない！」
凛「本当は直ぐに連れ戻したかったに決まってるじゃない！

桜―――！

二人の顔から涙が零れる
それはとても純粋で、とても輝かしくとても美しい涙だろう

『アーチャー』の世界が晴れていく
『アーチャー』と『セイバー』が互いに背を向ける
『アーチャー』は桜の元へ
『セイバー』は凛の元へ

『セイバー』の身体が透けていく
最後の令呪を使っても抗えない
それが悲しくて更に大粒の涙を流す凛

『セイバー』はその涙を指で拭ってあげた

セイバー「淑女が、人前で大泣きは恥ずかしいですよ」
セイバー「どうか、消える前に私の最後の願いを凛に聞いてほしい」

うん―――！うん―――！

溢れる涙は止まらない。
それでも頷く凛

―――どうか、笑顔を見せてほしい

本当に消えるその時まで涼やかな笑顔を見せる『セイバー』のサーヴァント―――ガウェイン
彼を最後まで理想の王子さまと疑わない小さな姫君は泣きはらした顔で満面の笑みを咲かせていた

『セイバー』消滅

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