過去ログ - 禁書目録「それはきっと、幸せだった頃の夢」
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30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/07(火) 22:50:15.39 ID:Wiz6b3VDo
『城なんて別に珍しくもないでしょ。バチカン就きならサンタンジェロ城があるでしょうに』

もっとも両者の歴史的背景には確かな差があるのだけれど――。

『はっきり言ってもいいのよ? 幽霊でも出そうだ、って』

道は直線通路から階段へと変わる。
背後を振り返りながら肩をすくめてやるとアウレオルスはばつの悪そうな顔を見せた。

どうにも彼は知的好奇心を抑えられない性質らしい。
それとも意外と怖がりなのか。魔術師のくせに。

「……何の話をしてるんです?」

小声で尋ねる我が弟子は未だ日本語が不勉強で。師としては不甲斐ない限りである。

「アン王妃の噂話よ。今日みたいな日にするもんじゃないわ」

私の言葉に彼はびくっと肩を震わせる。

このロンドン塔には首のない貴婦人の霊が出るという噂があるのだ。
もっとも頻繁にここに出入りしている私も拝謁の栄に浴したことはないのだけれど。


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