過去ログ - 禁書目録「それはきっと、幸せだった頃の夢」
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[saga]
2012/11/14(水) 22:11:14.76 ID:CEUnJC7uo
頬を栗鼠のように膨らませながら何やらもごもごと抗議の声を上げる白い少女だったが、何を言っているのかさっぱり分からん。
小動物の世話は弟子だけで手一杯なのだ。うちはこれ以上飼えません。
「アウレオルス、任せた」
「えええ……」
外国人には分からないかもしれないが、イギリス人にとって、この紅茶を淹れる時間というのは神聖な儀式のようなものなのだ。
私の家は北欧系の移民だけれど、私自身は生まれも育ちも英国だ。ブリテンっことしては譲れない。
ティーポットにお湯を注ぎ、私は腕時計を見て時間を測る。
手巻き式の、百年近くも前の年代物。
去年、骨董店で一目惚れして、必要悪の教会の安い給金を叩いて購入したものだ。
お陰で二ヶ月ほど極貧生活を強いられたが、お茶の時間だけは充実した。今ではよき相棒となっている。
金属機構の奏でる音を聞きながら長年培ってきた経験と勘で最適な時間を計る。
錬金術にも似たこの工程を楽しいと思えるのは、私が根っからの魔術師だということを表しているのだろうか。
そうしてカップに渾身の作のお茶を注ごうとポットを傾けた、ちょうどそのときだった。
扉の開き、閉まる音。それから足音。来客だ。
「さ、寒い……!」
いったい何が起こったのか。想像に難くない。
柔らかな金の髪に雪の粉を纏わりつかせたまま部屋に入ってきたのは、我が不肖の弟子、ステイル=マグヌスだった。
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