過去ログ - 恒一「『ある年』の3年3組の追憶」
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141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:56:01.81 ID:4DOG5YTr0
もうすぐ、お盆休みになる。
今年はあちこちで、悲しい新盆を迎えるのだろう。
友達や家族、みんなが大切な人を失った今年の夏。
でも、杉浦さんのお姉さんが言っていたように、
私も気持ちを切り替えて、前向きに生きていこう。
亡くなった王子君も、それを望んでいるはずだから。
そうだ。明日はまだ部活の練習がある。
猿田君も、早く元気になってほしい。
私たち三人は、固い絆で結ばれた仲間なんだから。
お婆ちゃんの送り盆を終え、部活動も再開した。
猿田君も、秋山先生も、そして他の部員たちも少しずつではあるけれど、
みんな悲しみを乗り越えようと頑張っている。
私も、2年生に部長を譲って一線を退いたけど、
文化祭や3月の定期演奏会に向けて、まだまだやるべき事は多い。
問題は、どんな曲を選ぼうか迷っているところである。
お婆ちゃんは色々な楽譜を持っていたため、
今、私は何かいい曲がないかと、お婆ちゃんの書斎で譜面の捜し物をしている。
ふと、ある曲が目に入った。
私の名を冠した、祈りの曲。
作詞者の罪の悔いと、それを赦した神への感謝を捧げたこの曲は、
今の私たちの心境、そしてこの災厄で命を落とした人々への鎮魂と重なる。
その日から私は、お婆ちゃんの持っていたこの古い譜面を、
吹奏楽に編曲する作業に取りかかった。
まだ中学生だから素人レベルかもしれないけど、
音楽一家で育ったこともあって、多少は自信がある。
私が全精力こめてアレンジしたこの曲を、部活で初めて演奏したのは、
もう秋も深まった頃。まだ先の話である。
亡くなった人たち、そして生きているみんな全員に捧ぐ、
私が全てを注ぎ込んだ、思い入れのある曲。
その曲の名は・・・
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