過去ログ - 恒一「『ある年』の3年3組の追憶」
↓ 1- 覧 板 20
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 21:22:33.48 ID:4DOG5YTr0
俺が家に帰ってきた時、姉貴は夜勤明けとかで
昼前には家に戻っていたらしい。
夕飯を済ませた後、姉貴はいつもの通り、俺の部屋に入ってきて、
26年前に起きたミサキの話や、
桜木の事故について、より詳しく問いただしてきた。
「あんなの、ただの噂だよ。ウ・ワ・サ」
「だから言っただろう、事故だったみたいだけど、俺たちはよく知らねぇって」
なんとかごまかし続けていたが、
姉貴はとうとう、俺たちにとって一番デリケートな問題を切り出してきた。
「ねえ猛、あんたのクラスにいる見崎鳴って子・・・」
『話してはいけない。家族にも秘密を漏らしたらただじゃすまない』
やばい、その話はマジでやばい。俺の全身から血が引いていく。
「何だよ、それ」
「でも、サカ・・・あなたのクラスの子が、見崎鳴って子が」
「はぁ!?そんな生徒、俺のクラスにいねえんだっつーの!
俺、部活で疲れてんだから、ほら戻った戻った!」
「でも・・・」と不満げな姉貴を追い返してドアを閉めると、
俺はベッドに倒れ伏した。
「勘弁してくれよ、まったく・・・」
翌朝、俺が目が覚めた時は、姉貴は欠勤が出たとかで
休日を返上して、もう病院へ出かけていた。
結局、昨日のやり取りが、姉貴を見た最後の姿となった。
154Res/348.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。