過去ログ - いーちゃん・阿良々木「ガチンコ野球対決?」
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445: ◆SIJX2KryAg[saga]
2013/09/02(月) 20:24:08.35 ID:lAR1O+z/0
鵜鷺『三振ーーーーーっ! 先頭バッターの崩子さん三振で倒れました!』

崩子(……スライダー? フォーク? けど、あの球速は……)

鵜鷺『玖渚さん、さっきの鳳凰さんが投げたボールなんですけど、何だか縦に落ちたように見えたんですが』

玖渚『そうだね〜。多分、あれはフォークボールだと思うよ』

鵜鷺『フォークボール、ですか?』

玖渚『うん。……いや、あれはフォークボールというよりもどちらかと言うとあれだね―――SFF(スプリットフィンガード・ファストボール)』

鵜鷺『スピリット、指ガード……え? 何ですか?』

玖渚『スプリットフィンガード・ファストボールね。よくスプリットとか高速フォークと呼ばれてるボールなんだけど、まぁ、要するに速く落ちてくるフォークボールだと思ってくれればいいよ』

鵜鷺『はぁ……。あの、ではフォークボールとは違うんですか?』

玖渚『違くないって言えば嘘だし、違うと言っても違うような感じかな』

鵜鷺『ん? え?』

玖渚『結構そこら辺の基準って曖昧でねぇ。よく投げてからミットに届くまでに約10回転するものをフォーク、約20回転するものをSFFとか言われてるけど、そんなの実際に野球やってて分かるはずないよね』

鵜鷺『まぁ、そうですね』

玖渚『まぁ、途中まで真っ直ぐと見分けが付かないくらいの速度が出てて、尚且つ変化もそこそこって感じだったし、SFFでいいんじゃないかな?』

鵜鷺『スピリットフィンガー・ファストボール……』

玖渚『スプリットフィンガード・ファストボールね。今思うとフォームに不自然さがあったし、コントロールも甘々だったから完璧な感じではないんだろうけど、一体鳳凰ちゃんはどこでこんなものを覚えたのかな? 確か鳳凰ちゃんって初心者でしょ?』

潤『ん? あ、あたしに聞いてんのか?』

玖渚『当たり前でしょ。鵜鷺ちゃんなんかに聞いたって答えなんて帰ってこないってわかってるんだからさ』

鵜鷺『いや、確かにそうですけど……』

潤『あー、わりぃわりぃ。実は分かっててわざと聞いてるのかと思ってよ』

玖渚『どういうこと?』

潤『いや、だって簡単じゃねーかよ。単純に身近にお手本があって、それを真似した。それだけじゃねーか。ただの物真似だよ物真似』

玖渚『物真似…………あ、あー。そういうことね』

鵜鷺『え? どういうことですか?』

玖渚『鵜鷺ちゃん。鵜鷺ちゃんはフォークの握り方は知ってるよね?』

鵜鷺『え? まぁ、はい。それくらいでしたら。こう、ボールを人差し指と中指で挟み込むように握るんですよね?』

玖渚『そうそう。んで、実はSFFもそれと同じ握り方なんだよね』

鵜鷺『そうなんですか?』

玖渚『親指の位置や、手首の返し方とか他にもいろいろあるけど、まぁ、ほぼ一緒と考えていいよ』

鵜鷺『へー』

玖渚『そして、ここでおさらい。いーちゃんが投げてるシェイクボールの握り方は覚えてる?』

鵜鷺『えーっと、確か人差し指と中指をボールに深く差し込んで……って、あ!』

玖渚『うん、気づいたみたいだね。そういうこと、いーちゃんが投げてるシェイクと鳳凰ちゃんが投げてるSFFって、基本同じ握りをしてるんだよ』

鵜鷺『つまり、これは鳳凰さんがいーちゃんさんのシェイクボールを真似て投げようとしたら、偶然SFFを投げてしまったってことですか?』

玖渚『うん。つまりそういうことだね』

鵜鷺『えー? でも、変化球ってそんな簡単に投げられるものなんですか?』

玖渚『うーん、こればっかりは鳳凰ちゃんにそういった才能があったって言うしかないんじゃないかな?』

鵜鷺『才能、ですか?』

玖渚『うん。まぁ、この場合の才能は野球の才能なのか、物真似の才能なのか。一体どっちの才能なんだろうね〜』クスクス

鵜鷺『はぁ……』



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