過去ログ - インデックス「フィアンマに、安価で恩返しするんだよ」
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[saga]
2012/08/27(月) 20:08:33.49 ID:n0HCiYOc0
インデックス「うーん…ナガシマスパーランド、っていうところに行ってみたいかも」
フィアンマ「響きからして、テーマパークか」
インデックス「うん、そう紹介されていたんだよ」
元気な笑顔で言うインデックスに、フィアンマは何も言及せずに頷いた。
彼女が楽しそうならばそれで良い。それだけで良い。
フィアンマ「調べておく」
インデックス「お願いするんだよ」
会話をしつつメニューを開き、眺めている間に注文が決まったらしいインデックスはボタンを押す。
注文を受けにやって来た店員に大量の注文をしていくインデックスとは真逆に、フィアンマはガトーショコラを注文しただけ。
注文確認を終えて去っていく店員を見つめている内に空腹を覚えたインデックスはそわそわとし始める。
子供っぽい仕草だが、純真な行動や瞳の輝きに、フィアンマは表情を和ませた。
インデックス「ミハイル」
フィアンマ「んー?」
インデックス「ミハイルは、楽しい?」
出かけるの、と付け加え、インデックスは笑顔で問いかける。
半ば答えを確信しているようにも思える可愛らしい笑顔。
流れるような長い髪には、フィアンマの贈った髪飾りが煌めいている。
フィアンマ「あぁ、お前を見ていると楽しい」
インデックス「! 私は玩具じゃないんだよー!!」
フィアンマ「そうだったな。確か、俺様のペットだったな?」
インデックス「それも違うかも!」
出会ってまだ二ヶ月程しか経過していないにも関わらず、二人は確かに惹かれあっていた。
恋愛感情のみとも割り切れない。共依存ともどことなく違う。
ありとあらゆる面で真逆である筈の彼等は、しかしどうしてだか、似通っていた。
魔術的に重要な立場にあったりだとか。どこまで逃げても救われなかったところだとか。
大きな違いは、最たる違いは、彼女は人を信じ、彼は人を信じない。
記憶が毎年消されてきたとはいっても、魔道書の汚染は確かにあるはずなのに。
インデックスはフィアンマよりもずっと人間的で、他人に優しい。
彼女のそんなところが。フィアンマはそう思わないようにしていても、大好きだった。
インデックス「ん、ん、おいひい!」
フィアンマ「詰め込んだまま言葉を発するな。品が無い。口を閉じて黙って食べろ」
インデックス「食事の醍醐味はお話なんだよー?」
むむ、とリスのように頬を膨らませながら食事を続けるインデックス。
その小さな唇が本名を呼ぶ度、彼は自分が優しくなれるような錯覚に陥る。
誰にも胸を張れない人生を過ごしてきたクセに。
こんな力を持った化物であるクセに。
そうして自戒する。閉口する。
手を伸ばしてきた事はいつも空回りする。
一生懸命やったところで、他人は自分を愛してなどくれない。
だから、フィアンマは人を愛する事をやめた。
あの少年に優しくしたことだって、今、裏目に出ている。
彼は器用なのに、それがいつも悪い結果を呼び寄せる不器用な男だ。
でも、この少女であれば、自分を認めてくれるかもしれない。
悪い結果にはならないかもしれない。
この少女に施す努力であれば、報われるかもしれない。
無意識下で、フィアンマは…ミハイルは、そう思っていた。
インデックス「どれもこれも美味しかったんだよ」
フィアンマ「そうか。まだ満腹には見えんが、……食べるか?」
つい、と差し出された、フォークの上、一口分のガトーショコラ。
他人に対しては失敗の思い出が先に立ち、思いやりを発揮出来ない彼でも、この少女には優しく出来る。
フィアンマが知らず知らず浮かべた優しい笑みに視線を奪われそうになりながらも、インデックスは、はにかみつつ…フォークを、ぱくりと口に含んだ。
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