過去ログ - インデックス「フィアンマに、安価で恩返しするんだよ」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/08/30(木) 22:34:40.59 ID:fMZI0U0w0
ヴェントは戦闘不能。
アックアも同じく。
テッラに至っては死亡。
となれば、自然と『神の右席』の実権全てはフィアンマの手に委ねられる。
教皇に思惑の末端を話し、フィアンマはくすりと笑う。
眼前の教皇は術式を組んでいるが、そのような事は関係無い。彼の前には、ありとあらゆる困難は意味をなさない。
教皇「ユダは裏切りの後、強い自戒に駆られて首を吊ったそうだ。彼の世界は暗く寒く深く苦しく、どこを見回しても一縷の希望すら見えなかったのであろう。覚えておくが良い、これ
から貴様が味わうものの正体だ」
ローマ教皇の声を聞き流し、フィアンマは思う。
自分の人生に、希望という概念は正しくは見当たらなかった。
暗く寒く深く苦しく。いつでもそうだった。今もそうかもしれない。
悪意に満ちた世界で、どうにか手探りで見つけ出した優しい笑顔を泣き顔に変える事しか、今は出来ない。
あの少女はきっと、自分の言葉を信じて待ち続けてしまうのだろう。愚かにも。優しいから。愛ゆえに。
教皇「これより貴様を四○年ほど空転させる。ユダの陥った『己自身に対する孤独』を長く味わい、その未熟な精神を今一度研磨し直すが良い」
精神が未熟だというのは、認めてもいい。
だけれど。
この行為だけは、誰にも止めさせない。
これは、あの少年との約束なのだ。
一三面体の中で、棒立ち状態のフィアンマの唇が、僅かに震えた。
教皇「やめておけ。曲がりなりにも私は教皇。今ここで振るう力とは二○○○年の時を経て、二○億もの信徒を支え導く神聖なもの。一人二人の傲慢で振り切れるようなものではない」
聖ピエトロ大聖堂は旧教勢力圏の中でも最大最高の要塞だ。
バチカン市国そのものが、ローマ教皇を何重にも補強する巨大霊装として機能する。
フィアンマ「ふん」
傲慢なのはどちらの方だ、とフィアンマは思う。
最早『神の右席』の下に置かれた傀儡が、『右方のフィアンマ』に意見すること自体、間違っている。
自然な調子で、フィアンマは言う。
フィアンマ「残念だが……たった二○億人、たかが二○○○年ではな」
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