過去ログ - インデックス「フィアンマに、安価で恩返しするんだよ」
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[saga]
2012/09/01(土) 16:13:29.51 ID:Bs5hkeWU0
上条「…、なあ『まほうつかいのおにいさん』。それって結局、俺との約束を破ってるじゃないか。あんたが俺にしてくれた約束の内容は、『もう二度と誰も不幸を嘆かない世界を創っ
てやる』…だろ?」
フィアンマ「……」
上条「もし、あんたのいう『皆が幸せな世界』って奴を実現したら、少なくとも俺は不幸になるんだよ。俺は、多くの犠牲を出す手段で幸せになんかなりたくない。そんな後味悪い幸せ
なんかいらない。もしそうなっちまったら叫んでやる。あんたに教わったように"不幸だ"って」
フィアンマ「……」
上条の言葉に対し、青年は何も語らない。答えないし、応えない。
まったくの無音と三人分の呼吸音の中、上条は言葉を続ける。
目の前の男が憎いから、怖いから言っている訳ではない。
絶対的な恩人だから、これ以上誰かを傷つけて欲しくないから、止める。
上条「…それに、俺が皆を守ってきた事を哀れまないでくれよ…。あの時俺が、お兄さんが約束を守る時までにヒーローになれてるかな、って言ったら、『きっと成っている、自分には
なれないけどお前は頑張れ。疫病神と言われても、どんな目に遭っても、胸を張って生きろ。生きてさえいれば、必ず誰かがお前を笑顔にさせてくれる。素敵な出来事がある。幸せにな
れる』って、言ってくれたじゃないか」
フィアンマ「…ああ、覚えているよ」
子供騙しで構わない。
どうか、自分に似た不幸な子供に少しでも幸せになって欲しくて、願いを籠めた『魔法』。
どうか、その優しいままで育って欲しいと願いを秘めた『確約』。
そこには『幻想殺し』を回収する為の裏事情など何も無く。
自分が幸せになれると宣言してあげれば、なれなかった時、自分に怒りを押し付けてもらえるように。
上条は、一生懸命に言葉を続けた。
上条「それでさ、あんたの言った通りだったんだ」
フィアンマ「…、…」
上条の言葉に、フィアンマは閉口する。
それは自分のお陰なんかじゃない。
上条「俺はヒーローみたいな事をしてて、色々痛い思いも怖い思いも嫌な事も、他にも沢山あった。でも、自分なりに胸張って生きたら、俺は笑えた。色んな奴に会えた。楽しい事もあ
った。苦しんでる奴を救えた。お兄さんに会っても恥ずかしくないと思える人間になれた」
フィアンマ「……」
上条当麻は。あの日の少年は。
いつか『あのお兄さん』に会ったら、自分がどれだけ頑張ってきたか告げるつもりだった。
それだけで全てが報われるような気がしていた。
勿論、困っている人を放っておけなかったという理由もあれど、それでも。
約束を守れば、笑顔で褒めてもらえるような気がして。
上条「なのに、そのあんたに否定されたら俺はどうすりゃいいんだよ…なあ、それでもあんたは実行するのか? 俺との約束や色んな人を踏みにじってでも、矛盾してる世界を創って救
った気になるっていうのかよ? そんなの只の自己満足じゃないか」
フィアンマ「…」
フィアンマは激昂しない。
上条の方が一般的に正論である事は分かるが。
しかし、フィアンマにだって、理由がある。
理由がなければここまで世界を救う事になんて固執しない。
理由がないのなら、インデックスとずっと一緒に居られた。
上条「いいぜ、もし、それでもあんたがこれ以上進むなんて言うのなら……」
上条の気持ちはよくわかった。
上条の優しさや、自分より他人を優先する思いやりが変化していない事を、フィアンマは知る。
上条「まずは、そのふざけた幻想をぶちころす…!」
敵意の無い睨みに、悪意の宿らない敵意に、フィアンマは目を細める。
ここで止まれたのならどれだけ良いだろう。
上条との約束のみで自分が動いていたのなら、きっと止まっただろう。
フィアンマ「…変わらんな。子供にとっての十年と大人にとっての十年が違う以上、変化したのではないかと思っていたが。お前は約束を守ってくれていたようだ。…で、あるならば。
説明してやるのが礼儀といったところか。流石にお前との約束故にこれだけの事態を引き起こしたと言い訳するのは苦しいし、お前が可哀想だ」
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