過去ログ - インデックス「フィアンマに、安価で恩返しするんだよ」
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311: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/09/01(土) 21:29:33.94 ID:K5fX0TZ30
>>310様 いえ、文中で説明せず、失礼しました…》


上条「………なぁ、かんっ、ざき…しばらく…胸……かしっ、って、くれないか……ダメだ……こらえきれっ……」

神裂は上条に近づき、無言でその身体を抱き寄せた。
お兄さん、と言いかけた事とこの態度からして、きっと和解したのだろう。
だというのに、あの人は死んでしまった。きっと、死んでしまった。
なまじ戦犯であるが故に、葬式を挙げる事も出来なければ、惜しむようなことも公言出来ない。
上条は情けないとは思いつつも、神裂の胸元に顔を埋めて号泣する。
涙が溢れて呼吸もままならない程、時折噎せながら、悲しみのままに泣きじゃくった。

上条「俺のっ、せいなんだ! 本当は、俺の…だから、だから一緒に、つみ、せおうって、なのに、」

神裂「……」

上条「あり、がとうって…言ったんだ、全部、自分の責任だって…そんな、訳ないのに、」

戦争はただ一人の思惑では起きない。
だから、フィアンマ一人の責任とも言い切れないのだ。
なのに、フィアンマ一人に責任をかぶせて、死者に口なしとばかりに皆。
ここでは、上条一人しか、彼を讃えない。
一生懸命努力して、空回りした彼の事を、誰も良く思わない。
最低最悪、冷酷無慈悲な魔術師。
そんな事はない、否定しても、上条の声は同情の声にかき消される。
上条が優しいから庇っているだけなのだと、皆思っている。
悔しかった。そうじゃない。そうじゃないのに。
こうなる事を知っていて、それでも、彼は世界を救う事をやめた。
自分の言葉に耳を傾け、謝罪して、やめた。
後悔していた。上条一人生き残っても、それは成功とは言えない。


しばらく泣き、落ち着いた上条は、神裂からそっと離れる。
渡されたティッシュで顔を拭い、深呼吸して落ち着きを取り戻し。
そして、俯きながら、神裂に真実を話した。昔の事から、『ベツレヘムの星』内の出来事まで、全て。
神裂は静かに上条の話を聞き、泣きそうな顔で目を伏せた。
ああ、やっぱり自分たちの知っている彼の優しいイメージの方が正しかった。

上条「…インデックス、プロヒビットラム…? って子、知ってるか」

神裂「『禁書目録』ですね。知っていますよ。私の友人です。…同時に、彼が救った少女でもあります」

上条「…伝言、頼まれたんだ。伝えないと、いけなくて。イタリアの、何処に住んでるんだ?」

神裂「…地図を、描きます」



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