過去ログ - インデックス「フィアンマに、安価で恩返しするんだよ」
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364: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/09/03(月) 22:34:19.48 ID:8OSerR7l0

二人は自宅へと戻って来た。
インデックスはフィアンマに所謂お姫様抱っこをされたまま、きょとんとしていた。
あれだけ一生懸命呼び止めたにも関わらず、彼が帰ってきたという実感がきちんと湧いてくるのに時間がかかったからだ。
フィアンマはインデックスをソファーに降ろし、自分はその隣に座った。
久しい我が家は空けていた期間もきちんとインデックスが掃除をしていたらしく、埃っぽさは皆無。
インデックスはようやく状況を呑み込めたのか、またしても溢れ出しそうになる激情を堪えながら言った。

インデックス「…お帰り、ミハイル」

フィアンマ「……、…ただいま。インデックス」

かしこまったフルネームの、魔道書図書館としての呼び名ではなく。
親しみのある響きに変わった事に、インデックスは目を瞬かせた。
そんな彼女の様子を気にする事なく、フィアンマはぽつりぽつりと語る。

フィアンマ「……状況から考慮して、死ぬと決まった時。結果的にはこうして生き残ったが、…お前の事を、考えていた」

インデックス「…わた、し?」

フィアンマ「…お前が笑顔でいたらいいと。お前と、もっとずっと一緒に居たかったと。…お前の手を握っていれば良かったと。ひたすら、後悔していた」

インデックス「…、」

フィアンマ「ずっと、お前の所に帰りたいと思っていた。お前とまた、こうして普通に暮らせれば幸せだと思っていた。…だが、助かって、冷静に考えれば考える程、お前と一緒に居る資格が無いと思った。戦争を起こし、最後まで目的を果たす事も出来ず、すぐ帰るという約束も破り…魔術サイド中から追われているこの身では、お前と会っても迷惑をかけるだけだとしか、思えなかった。それなら、一生会わない方がお前は幸せなのだと、思い込んでいた。…俺様の自己満足に過ぎなかった訳だがね」

インデックス「…ミハイルの、ばか」

フィアンマ「…あぁ、…俺様は、馬鹿だった。…幸せになりたいと思うのであれば、たとえ何を思っても会って、お前の手を引いて生きるべきだった」

インデックス「…もう帰ってきたから、いいんだよ」

フィアンマ「…今回の約束は、…破らないで、済んだ」

小さい声で呟いて、フィアンマは少女の華奢な身体を抱きしめる。
インデックスは彼の胸元に顔を埋め、数ヶ月ぶりに、嬉しいやら安堵やらと、様々な感情の籠った大粒の涙を好きなだけ零し。
子供らしく大声で、泣き出すのだった。


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