過去ログ - インデックス「フィアンマに、安価で恩返しするんだよ」
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369: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/09/03(月) 23:50:52.22 ID:8OSerR7l0

上条「…今度こそ、約束護ってくれよな! おにいさん!」

フィアンマ「あぁ。…もう破らない」

泣いた直後の顔はいたく幼く見え。
十年前と同じような和やかな気分で、フィアンマは上条の頭を優しく撫でた。
あからさまな子供扱いなのだが、上条は別段不快には感じず。
傍から見れば二人はまるで、見目こそ似ていないが―――歳の離れた、仲の良い兄弟のようであった。



数十分経過し、完全に落ち着いた上条は。
現在、持ってきた宿題をフィアンマに手伝ってもらっていた。
冬休みの宿題なのだが、内容としてはそんなに難しくない為、何だかんだで学校に通った事のないフィアンマでも(いや、知識はあったからかもしれないが)簡単に解けた。

上条「うぐ…」

フィアンマ「そんなに難しくないだろう」

上条「いや、俺お兄さんみたいに頭良くないから…」

がくり、と項垂れる上条の口にお菓子を突っ込みつつ、フィアンマは肩を竦める。

フィアンマ「出来ないと思い込んでいるから出来ないんだ」

上条「そんな事言われても…」

もごもごとビスケットを食べつつ口ごもる上条に対し、フィアンマは個装のお菓子を一つ、上条の目の前にて手の中に隠す。

フィアンマ「少し休憩だ。…この手の中はどうなっていると思う?」

上条「お菓子がある、じゃないのか?」

フィアンマ「いや、そうとも言い切れないな」

そう言いつつ手を開いて見せるフィアンマ。
その手のひらの上に、隠したはずのお菓子は無かった。
目くらましをしている間に隠すという基本的な手品なのだが。

上条「おぉ…」

フィアンマ「…ちなみに、俺様の手の中の菓子が砕けている可能性、なくなっている可能性、現存する可能性、包み紙の中身だけなくなった可能性など、沢山の可能性が考えられる。これが俗に『多世界解釈』と言われるものだ」

上条「…お兄さん、魔術サイドなのに役立つのか? その知識」

フィアンマ「『神の右席』の理念はこれに乗っていたしな。天使の中に神が紛れ込んでいる可能性は、この多世界解釈の法則に通じる」

上条「なるほど…」

フィアンマ「何事も勉強しておいて損は無い。今から『きっと使わないだろうから』と学ぶ事を諦めると、後々後悔する恐れが高い。勤勉が一番だ」

上条「うぐ…説教が胸に痛い……あれ、休憩じゃ」

フィアンマ「ん? 休憩だよ、課題は片付けなかっただろう。さて、再開といこうか」

上条「ふ…、…不幸だあああ!!」



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