過去ログ - インデックス「フィアンマに、安価で恩返しするんだよ」
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38: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/08/10(金) 00:10:53.02 ID:zCfyhLq40

頭は神聖な場所とされている。
逆に、足は不浄の場所とされている。
つまり、髪留め一つにも、フィアンマはそれなりに魔術的意味合いをこめる。自然と気を遣うのだ。
そんな彼が選んだのは、アクセサリー類の中で最も高価な、銀で出来た十字の髪留め。背に七つの小さなルビーが埋め込まれている。
赤色の七。『七の美徳』を表現したもの、と解釈出来なくもない。

会計を済ませ、店員が提案するままに簡素にラッピングしてもらったソレをポケットにしまい、フィアンマは試着室を見やる。
丁度、インデックスがひょこりと顔を覗かせ、フィアンマと目が合った事で安心したのか、薄く微笑みながらちょいちょいと手招いた。
手招きを受けフィアンマが近づくと、インデックスはカーテンを横に退けた。
現れたインデックスは清楚そうな白のワンピースを身に纏っている。
少々落ち着き過ぎ感は否めないものの、少女らしく、よく似合っていた。
どうやらフィアンマが余所見をしている間に採寸をとっくに終え、目星をつけていた服に着替えたらしい。
インデックスは膝丈ワンピースの裾をくしゅりと握り、もじつきながら問いかける。

インデックス「に…似合う、かな?」

フィアンマ「あぁ、似合っているんじゃないか?」

インデックス「! じゃあこれが欲しいんだよ。後もうちょっとあるから、少し待ってて欲しいかも」

フィアンマ「構わんが」

にこにことし、上機嫌でカーテンを閉めるインデックス。
フィアンマはポケットの中にある重みを考え、いつ渡そうか、とぼんやり考えつつ、暇を潰すのだった。


白の膝丈ワンピース、シフォンフリル使いのフェミニンな薄ピンクのスカートと、白のブラウス。
必要な下着一切に、装飾の無い髪留め。
生活していくに必要な衣服を買い揃えたインデックスは、機嫌よく歩いていた。
フィアンマの機嫌は特別良くも悪くもなく、インデックスの服一切が入った紙袋を持ってやりつつ進む。
先程からインデックスは店先の食べ物に魅せられ、あれを食べたいこれを食べたいと強請り。
その度に買ってやり、特に財布の中身を心配する事も無く、フィアンマは自宅へ戻った。無論、インデックスも。

インデックス「ただいまー、なんだよ。後、お帰りなさい、ミハイル!」

フィアンマ「……、…ただいま」

フィアンマは、このように家族のような立ち位置の人間からお帰りと言われた事がなかった。
だからこそ一瞬反応が遅れた。何を言われたのか、わからなくて。

インデックス「お腹一杯かも」

フィアンマ「寝てしまっても構わんぞ。俺様は仕事があるしな」

一瞬思い出しかけた忌まわしい過去を無理やり振り払い、フィアンマはそう言うとテーブル上に紙袋置き、別の部屋へと消えた。
インデックスは手伝おうかと思ったものの、やめておいた。
もしかしたら自分はイギリス清教に戻る日が来てしまうかもしれないのだ。
であれば、ローマ正教の秘密を知り過ぎてしまうのはよくない。

インデックス(ずっと一緒に、居られたらいいのに)


フィアンマは別室で、『計画』を纏めていた。
世界を救う為の布石を敷く段取りを考えなくては。

この歪んだ世界を正す。

自分の右手はその為にあるのだ。
この崩壊しかねない世界をただ見過ごすには、罪悪感が重い。
自分がやらなければ。自分にしか出来ない。

フィアンマ「……、…」

ふと、フィアンマはポケットから小さな箱を取り出す。
リボンでくるまれたソレの中身は、インデックスに贈る十字の髪留め。



髪留めを渡す?


1.今インデックスに渡す

2.今はまだ渡さずに持っておく




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