過去ログ - インデックス「フィアンマに、安価で恩返しするんだよ」
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41: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/08/10(金) 16:52:19.55 ID:DAwBXCkg0

フィアンマはしばらく小箱を見つめた後、そっとテーブルの、紙の上に置いた。
あの少女の事だ、嬉しいかどうかは別として、恐らく笑顔で受け取ってくれることだろう。
そんな事を心中で呟き、彼は山と積まれた本の中から一冊をそっと抜き出す。
魔道書の写し。その更に写し。
計画手順の頭文字を連ね暗号化されたそれはほとんど意味をなさない代物ではあるが、フィアンマの脳内にて『計画』を振り返るために使用するので問題は無い。
ミハイルという青年は絶対記憶能力者ではないものの、記憶力の良い方だ。
頭文字達を指表面でなぞり、口の中で呟いて復唱しながら間違いを正し、フィアンマは思う。

自分が『神上』と呼ばれるような存在になっても。
世界を『救済』した後、神聖なる光が人の知識全てを吹き飛ばしてしまっても。

きっと、あの少女から受け取った好意も、綺麗な笑顔も、忘れない。


フィアンマ(…無理だろうな)

              ノート
思い願った事を自分で否定し、記録帳を片付けたフィアンマは、机に手をついて立ち上がる。
ついでに小箱を手にし、部屋から出るとインデックスの下に戻った。
インデックスは暇を持て余した結果ソファーで何やら物思いに耽っていたらしい。
フィアンマを見るなり薄く笑みを浮かべて思考を中断した。

インデックス「仕事終わったの?」

フィアンマ「あぁ」

返事をしたフィアンマはインデックスに近寄り、隣に腰掛ける。
そしてそっと小箱を差し出した。
青一色の箱に、赤いリボンのかかったシンプル且つお洒落な箱。
きょとん、としながら、インデックスは箱を見る。

インデックス「綺麗な箱だね。誰かに贈り物?」

フィアンマ「…お前に、だ」

インデックス「…え?」

フィアンマ「…贈り物だよ。宛先はお前だ」

インデックス「……、」

驚いたような表情に、段々と嬉しさの色を纏わせ、インデックスは感謝に満ちた笑顔をフィアンマに向ける。
そして、フィアンマの手を包み込むように、両手で、大事に受け取った。

インデックス「えっと…開けてもいいのかな?」

フィアンマ「構わん」

フィアンマの返事を聞き、インデックスは箱を膝の上に乗せ、しゅるしゅるとリボンを解く。
大切そうにそのリボンを膝の上、箱の傍らに置くと、恐る恐る箱を開けた。
前述の通り、中身は銀十字の髪留め。
インデックスの美しい色合いの髪に輝きを加える、そして『歩く教会』を邪魔しないデザイン。
値段は分からないものの、とても質が良い事は素人目にもわかる。
インデックスは感嘆の声を漏らしながら箱の中身、髪留め表面を指先でなぞった。
ちら、とフィアンマの顔を見上げ、問う。

インデックス「つ…着けてみても、いい?」

フィアンマ「…あぁ」

インデックスはそわそわとした様子で髪留めを自分の髪に着ける。
身に纏っているのは『歩く教会』だが、フードは着けていない為、よく見えた。
よく似合っている、とフィアンマは思った。
しっかりと着け終わり、インデックスは最後に髪を撫で付け、微笑む。

インデックス「……、似合って、る?」

フィアンマ「よく似合っている。俺様の見立てに狂いは無かったようだ」

えへへ、と照れて嬉しがり。
それと同時に。

インデックス(もっと恩返ししないとダメなんだよ)

感謝の念の強まるインデックスであった。




恩返しに何をする?>>+2


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