過去ログ - インデックス「フィアンマに、安価で恩返しするんだよ」
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5: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/08/08(水) 22:57:15.71 ID:qj3AooZX0

場所は変わって。
普段の居住地としている聖ピエトロ大聖堂ではなく、殆ど使用していないやや狭めな、フィアンマの自宅で。
先ほど降ってきた少女を裏路地にて見事姫抱きにしたフィアンマは、その少女が開口一番「おなかへった」などと宣ったので。
仕方なく、強請られるまま、食事を与えていた。

インデックス「お腹いっぱいなんだよ、いい人だね!」

フィアンマ「……」

用意した大量の料理は、みるみる内に、清々しい程あっさりと少女の胃袋の中へと消えていった。
見ていて気持ちのいい食べ方だ、などとフィアンマがうっすら考えている間に、少女―――インデックスの食事が終わり。
いい人、という評価を受けたフィアンマは、怠そうに水を飲んでいた。
いかんせん暑いので、あまり人の話を聞いていない。
聖職者としては非常によろしくないことである。
これではいかんな、と自省し、フィアンマはインデックスを見つめる。
独特の色合いや柄、真っ白な修道服には、見覚えがあった。
布地はロンギヌスに貫かれた聖人を包んだトリノ聖骸布を正確にコピーした物で、その強度は絶対であり。
物理・魔術を問わずダメージを受け流し吸収するという、最高の一品。
即ち、『歩く教会』。
こんなものを身につけられるのは、余程の実力者である魔術師、或いは魔術的に重要な意味合いを持つ人間。
見たところ、少女はあまり強そうには思えない。さすれば、自然と予想は後者の方向へと向かう。
そしてローマ正教に、このような修道女は居ない筈だ。というよりも、ローマ正教は『歩く教会』を採用していない。
加えて、彼女はロシア系の顔立ちをしていない。つまりは、ロシア成教所属の可能性は低い。
ということは、旧教三大勢力の残り一つ。

フィアンマ「…イギリス清教の『禁書目録』、か」

インデックス「!? ど、どうして分かったの?」

まさか自分を狙う魔術師では、とびくつくインデックスの様子を眺め、フィアンマはくすりと笑う。

フィアンマ「修道服から予想したまでだ」

インデックス「…」

本当かな、と言わんばかりの視線に、フィアンマはくつくつと喉奥で低く笑った。
自分の築いた熱を遮断する術式が効いてきた為に涼しくなってきた事。
つまり、自分がれっきとした魔術師である事に気が付かないのか、と。

インデックスは辺りを見回した後、壁に書かれた魔術記号を見、目を瞬かせ、認識する。
目の前に居るこの赤い装束を纏った青年は、どう考えても魔術師だ。

インデックス(あからさまに魔術師だね、でもご飯くれたいい人だし…うぅ)

警戒と感謝との間で揺れ動くインデックスの様子を観察し、フィアンマは緩く首を横に振った。



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