過去ログ - インデックス「フィアンマに、安価で恩返しするんだよ」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/08/12(日) 10:18:48.65 ID:XjBVn8sn0
インデックス「…遊園地に行きたいかも!」
フィアンマ「遊園地か」
インデックス「ちょっと興味があるんだよ。ジェットコースターとか、カンランシャとか」
フィアンマ「その知識をどこで仕入れたのかさっぱり不明だが、良いだろう。…何処の遊園地に行きたい、という欲求は無いのか」
インデックス「そこまではそもそも詳しくないかも。どうせ行くなら大きいところがいいなっ」
インデックスの答えに、フィアンマは考えた後、もう一度聞き返した。
大きいところが良い。
一度も遊園地に行った記憶の無い彼女としては当たり前の欲求だろう。
フィアンマが真剣に考え込む様をどうとったのか、インデックスはおずおずと言い直した。
インデックス「でも、本当はどこでも良いかも。ミハイルと一緒に行けるならそれで良いんだよ」
フィアンマ「…ローマ近郊に確か最近出来た遊園地があったような気がするのだが」
顎下に手を宛てがい、優雅に思考する様子を見せた後、フィアンマはそう呟いた。
これまで毎年『計画』準備に追われてきた彼はあまり遊びに詳しくない。
フィアンマ「プールがある方と、そうでない方、どちらが良い?」
インデックス「うーん、プールは今度で良いかも」
フィアンマ「そうか。明後日までに一応調べてはおく。明日急いで行く必要も無いからな」
インデックス「うん」
楽しみ、と笑みを見せるインデックス。
記憶を消される事はもう無いのだから、彼女はこれから先、何を恐れる必要もなく、楽しい思い出を作る事が出来る。
普通の人間にとってはどうということもない事だが、それを許されてこなかった彼女にとっては、とてつもなく幸福な事だ。
フィアンマは立ち上がり、定位置になったかのように、ソファー上、インデックスの隣へと腰掛ける。
インデックスはふと、気になった事を尋ねてみる事にした。
インデックス「…ミハイルは、遊園地に行った事あるの?」
フィアンマ「一度だけある」
インデックス「お仕事? それとも普通に?」
フィアンマ「後者だよ。まだ子供だったからな」
懐かしんでいるように目を細め、フィアンマは淡々と答える。
インデックス「楽しかった?」
フィアンマ「あぁ、楽しかったよ。とても、…楽しかった」
穏やかな表情で答え、フィアンマは一度頷く。
インデックスはきらきらと目を輝かせながら問いかけを重ねた。
インデックス「乗り物とか、食べ物がいっぱいあるところなんだよね?」
フィアンマ「あぁ」
インデックス「ジェットコースターは身長制限があるっていうけどどうなのかな…」
フィアンマ「あれは最低限の目安だ。お前の身長であれば問題は無いだろう」
インデックス「だと嬉しいな」
鼻歌でも唄いかねない程に上機嫌なインデックスの様子を眺め、フィアンマは口元を和ませた。
インデックス「そういえば、その時は誰と行ったの?」
フィアンマ「父親だよ」
インデックス「お父さん…」
インデックスという少女に、両親の記憶は無い。
だから、その響きが少し羨ましいような、未知の言葉にも思えた。
インデックス「ミハイルのお父さんってどんなひ「もう寝るか」む」
問いかけを遮って、彼は立ち上がった。
特別気分を害した様子は見られないが、表情は硬い。
何かトラウマでもあるのだろうか、と予想したインデックスは、それ以上食い下がる事なく、眠る事に決めた。
今聞く必要は無い。もっと後で、いい。
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