13: ◆Koneko/8Oc[sage saga]
2012/08/18(土) 02:55:38.07 ID:XTFDdzuIo
もし、桐乃とあやせが俺をからかうつもりでいるならそれでもいい。
二人のうちどちらかが耐え切れなくなって笑い出せば、その時点で俺が笑い者になっておしまいの話だ。
冗談にしては質が悪いが俺だって鬼じゃねえ、兄貴として笑って赦してやるくらいの度量はある。
「あたしから話した方がいいのかな。……それとも、あやせから話す?」
俯いたまま身じろぎもしないあやせを見て、桐乃はそれを了解の意と受け止めたようだった。
天井を仰ぎ見ながら、桐乃はゆっくりとした口調で話し始めた。
「あたしの誕生日は、本当は昨日じゃなくて先々週だったんだよね」
「先々週って……そりゃ、あやせの誕生日――」
「だからさっきも言ったじゃん、十五年前に事件があったって」
「十五年前の事件なんて俺は知らねえし、おまえから今初めて聞いたんだぞ」
「あたしとあやせが知らなかったのは無理もないけど、あんたは、憶えてないだけかもよ。
だって、今あたしがここにこうしているのは、元はと言えばあんたにも責任の一端はあるんだから」
「俺にも責任があるって、余計にわけがわかんねーよ」
「だから説明してあげるっての。……と言っても、あたしだってお母さんから聞いただけなんだけどね」
俺の隣りに座っているあやせが、ミニスカートの裾をギュッと握り締めた。
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