4: ◆Koneko/8Oc[sage saga]
2012/08/09(木) 00:52:35.38 ID:e+vTXGbXo
リビングでは桐乃がソファーに座って足を組み、パラパラとファッション誌をめくっていた。
桐乃のそんな姿は、俺にとっていつもの見慣れた光景に過ぎないはずだった。
しかし、そのときばかりは、桐乃の妙に取って付けたような仕草に違和感を覚えざるを得なかった。
「桐乃、あやせが来たけど……アイスは、また今度でもいいか?」
「別にいつでもいいけど」
「すまねえな。今度、俺の奢りで買って来てやるから」
「そんなことより、あんたがそんなとこに立ってたらあやせが中に入れないじゃん」
リビングの入り口を俺が塞いだ恰好になって、あやせは俺の背後でどうして良いやら判らずに困っていた。
俺は慌ててあやせを中に入れてから、そのままキッチンへ向かった。
「麦茶くらいしかねーけど、すぐに用意すっから座ってくれ」
「お気遣いなく。……お兄さんが、家に居るとは思わなかったものですから」
「何だか、俺が居たら都合が悪かったみてーな言い草じゃねえか」
「別に、そういうわけじゃありませんけど」
あやせは、リビングへ入ってからというもの俺と視線を合わせようともしない。
俺との会話でも、俺に向かって話しているのではなく、桐乃に向かって話していることは明白だった。
一方、桐乃は何も聞こえなかったとでも言いたげに、読んでいたファッション誌を無造作にテーブルに置いた。
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