過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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101:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/09/02(日) 02:18:34.39 ID:3FHGFNhP0
>>100

「私が遅かった、それだけですか」
「うん、って言いたいけど」
「でも、数学者は駄目。はい、それも分かります、何となくだけど。でも…」
「でも、諦められない。少なくとも始める前からは」

アイシャは小さく、しっかりと頷いた。
その真っ直ぐな眼差しがエバには痛い。乗り越える強さを持っている、と、信じたいが。
何より、アイシャは余りにも才能豊かで余りにも真っ直ぐだった。同じ分野で、しかも、男と女。
自分がもう少し若かったら、青春の本当の強さを知らない頃であれば、
他でも無い二人のために、どんな手を使ってでも引き離していたかも知れない。

 ×     ×

「あなたの国にはこういう言葉があったそうね。原始、女は太陽であった」
「アイシャは燈馬想の月?」
「それまでは太陽だった。MITではよくある事だけど、
幼い頃から数学における神童、天才、その王冠もやっかみも一身に受けて来た。
大学でも決して引けをとらないキャリアを築いて来た。
だけど、少なくとも彼女にとって、燈馬は余りにまぶしく、そして妖しい輝きだった」
「月並みだけど学者としても、男としても」

 ×     ×

「いらっしゃい」
「こんにちわ」

想は、自宅であるマンションの一室にアイシャを迎えていた。

「退院したんだね」
「うん、心配かけたんならごめん」
「まあ、こう何度も、だとね」

そっちの方がいいと思ったアイシャが笑みを見せると、
想はもう一度小さく頭を下げた。

「…ロキ…何か言ってた?」
「研究発表はオソレザンでやるのか、いい加減にしろ、だそうよ」

今度は、二人で笑みを交わした。


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