過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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103:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/09/02(日) 02:24:01.78 ID:3FHGFNhP0
>>102

「これは…」
「ライスと卵のオカユと、ゴジルと言うの作ってみた」
「へえ…」
「本当はウメボシも欲しかったんだけど」

想が、スプーンを取って一つ一つ口にする。少々おかしな食器の組み合わせなのだがそれは口にしない。

「美味しい」
「良かった。発酵大豆とアミノ酸に富んだ薫製の干物、海藻、ご先祖様の知恵ね」
「そうだね。ありがとう」

ようやく、想は素直な微笑みをアイシャに向けた。
余りにも上等な、蜘蛛の糸と呼ぶに十分な微笑みだった。

 ×     ×

「燈馬がロキに馬鹿みたいな男の意地を見せた、その後の事よ。
病院から戻った燈馬にスープを差し入れた事から始まった。
それが足繁くなると彼女の友人はみんな止めた、彼女の才能を惜しんでね。
もちろん私もロキも、だって、知っていたから」
「それが決して報われない事を」

エバが小さく頷くが、本当はもっと、口に出せない事があった。

「最初は燈馬からも相談されたわ。燈馬も彼女の才能を高く評価していた。
だから、自分の事に専念する様に忠告して欲しいって」

当時、丁度エバはダイエットを検討していたのだが、
気が付いた想に毛布を掛けられて、ソファーに丸まったまま朝を迎えてしまう事がしばしばあるので、
アイシャの健康と学問が心配だと真顔で言われた日には、ボクササイズが実にはかどったものだ。

「私はそれを、誰からの意向であるかを付け加えて実行した。
そうしたら彼女、想と一緒にいながら年間MVPレベルの論文を見事に書き上げて見せた。
そういう意地っ張りなのよあの娘は」


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