過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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128:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/09/06(木) 04:35:14.31 ID:EZgLHkXD0
>>127

 ×     ×

「おはようございます」
「おはようございます」

朝、寒さに身を縮めた燈馬想に、水原可奈は営業スマイルで挨拶を返す。

「お任せ一つ」
「はい、お任せ一つ入りまーす」

あの二人の刑事が工場に来た、と言う電話連絡はあった。
改めてアリバイを確認して行ったらしいが、
それに就いては大丈夫だと想はいつも通りあっさりと可奈に告げた。
それ以降、可奈は想と会話らしい会話をしていない。

夕食を持って行こうかとも思ったが、何か最近帰りが遅いらしく朝が早い可奈とはすれ違っている。
刑事は大人しくなったが、近々ゆっくり話をしたい。
その可奈の思いは、多忙によって一時中断され、想はいつも通り静かに店を出て行った。

 ×     ×

「ええ、そうです。Dr.の前に東洋人の男が現れて。
最初は驚いた様子でしたが、すぐに分かり合えた様子でした」
「その東洋人はこの中にいますか?」

ストックホルムのとあるキャンパス内で、南空ナオミは数枚の写真を女子学生に見せていた。

「この男です。もっと、何と言うかやつれて小汚い印象でしたが」
「そうですか。それで、その後どうなったんですか?」
「Dr.はその東洋人の手を引いて、自分の車に乗せて出て行きました」
「その事を他の誰かに?」

「言いませんよ、尊敬に値する人です。
英語を話していたみたいでしたし、同じ日系人なのかも知れませんが、
何か打ち解けたと言うか、そういう雰囲気でした。
あの人も独身です。プライベートでそういう事があってもそれがどうかしたの、と言う事です」
「なるほど」

女子学生と別れ、ナオミは呟く。

「空白の期間、あの国を脱出した燈馬想はやはりここに来ていた」


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