過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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132:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/09/08(土) 13:47:49.09 ID:q3Cr0rec0
>>131

それは、可奈も気付いていた事ではある。
だが、面と向かって口に出されると、色々と考えなければならない事でもある。

「まあ、そういう事だからさ。
いや、それは今は僕が勝手に言ってる事で、可奈ちゃんをせかすつもりは無いから。
美里ちゃんの事もあるんだし」
「は、はい」

返答しながら、可奈は斜め下に視線を落とす。
警察が来たと言う事は、それだけを考えるとやはり想に話しておくべき事だろう。
想が敢えてあの様な携帯を渡した事を考えても脅威は決して去っていない。

事に及んでは想は頭脳役、可奈は足であると同時に、
細大漏らさず正確にその偉大と言うべき頭脳にインプットするのがその役割。
その分担を外れる事が「天才」燈馬想に対して
どれだけの威力を持っているか、可奈は知り抜いている。

だからこそ、改めて頭脳戦をその想に頼っている今、
絶対負けられない闘いでその鉄の掟を曲げる事は極めて危険だ。
しかし、それを憚る気持ちは間違いなく可奈の中に存在する。
法律も倫理も踏み越えて、正義感とは無縁の協力をしてくれている。
高校時代の友人、それだけでそんな事をするなんて、あり得ない。

理由なんて、可奈の頭では一つしか考えられない。向き合わなければならない感情以外に。
レストランのガラス壁の向こうでは、そんな可奈の憂い顔こそよく見えなくても、
そうやって窓際の席に座る二人に向けて、
屋外に立つドレッドヘアに黒眼鏡の男がデジカメのシャッターを切っていた。

 ×     ×

「圧力がかかった?」
「ああ、辛いな」

湯川の問いに、草薙は割となんでもない事の様に応じる。
中華レストランで四川料理の円卓を囲むその席には内海も同席していたが、
草薙の誘いに案外あっさり出て来た辺り、
警察による燈馬想への捜査に就いて湯川の関心は決して消えてはいない。


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