過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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14:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/11(土) 02:16:16.36 ID:9RA2XFou0
>>13

「燈馬、君」
「はい」

よろりと立ち上がりドアにすがる可奈の言葉に、想は真面目な顔で応じる。

「Q.E.D.なのは分かってるから、その過程教えてくれるかな?」
「煙草の匂いがするのに靴が無い。
コードのささっていない炬燵の中に誰かがいる。完全に見えない状態で。
それに、今朝から普通にお客の前に出てる水原さんが、その髪の毛の乱れ方は無いです」
「うん、分かった。今開ける」

その笑顔は、はかなげなものだった。想の表情を曇らせるのに十分な。

 ×     ×

「ちょっとだけ時間くれるかな?
きちんと話すから。すうぅー、はあぁぁぁ…」

炬燵の布団をまくり上げ、ごろりと横たわる死体を前に立ち尽くす想に、可奈がぽつぽつと告げる。
想が小さく頷き、可奈が呼吸を整える。
その脇で、美里が小さく震えながら座り込んでいる。

「えーと、こいつ、富樫慎二。私の前の旦那ね。
そう、結婚してたんだけどこれが又どうしようも無い奴でね、私、男見る目なかったんだなー。

最初は羽振り良かったんだけどそれが又会社で使い込んだ金でさ、
警察沙汰は免れたけど首になって暴力ふるうわ金はせびりに来るわ散々。
しまいに離婚してからも付きまとって来てさ、周りとか、美里にね、
このままだったらどんだけ迷惑になるか、ってね。

でも、うん、分かってる、分かってる。殺しちゃいけないよね。
分かってるから、だから燈馬君。そういう事だから警察、呼んでくれないかな。
罪、償わないとね当然」

「おかあさんっ!燈馬さん、燈馬さん私」
「美里っ、だから燈馬君。私がこいつ殺した証明終了だから、警察、ね」

その間、想は片膝を付いて、時折死体の腕や脚を持ち上げてじっと観察している風だ。
それを見ているだけで、可奈の背中にじっとりと嫌な汗が伝わる。


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