過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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147:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/09/13(木) 01:34:51.02 ID:xoaMC/Wa0
>>146

「又、あの人に会ってたの?」
「昔お世話になった人だからね」

可奈は作り笑いと共に、ご飯をよそっている美里に答える。

「そんな事してたら、燈馬さんに嫌われちゃうよ」

美里は、努めて気楽な口調を作っている。
年頃の娘が一丁前に独身の母親の色恋に口を出そうと、本来なら微笑ましい事だ。

「燈馬さんが味方してくれるのはお母さん…」
「ん、分かってる。食べよう」
「うん」

まだまだ、水原可奈の笑顔は強かった。
だが、決着の時が近づいている、その事は可奈にも分かっている。
ダシ巻き卵一個で引っ張り回していたあの頃とは違う。

計算すら必要としない論理的帰結として、彼の気持ちに関する通俗的な定義など分かり切っている。
しかも、そのために彼が払った代償が代償だ。
お人好しに考えるなら、想がそんな事で可奈を縛り付ける、それを信じたくない。その気持ちはある。
だが、人は変わる。それはこの歳まで少しは泥水の中で生きていれば嫌でも実感する。
現実的に考える時、なのかも知れない。

 ×     ×

「しまいに内戦に巻き込まれて各国の利権紛争のただ中を逃れてストックホルムに潜伏していた。
それを見過ごしていたのならラングレーは間抜け揃いと言う事になる。
知らない相手ではない、しかも国家的と言ってもいい分野で関わっていたのなら尚の事。
当時あの辺りでは女王陛下の海軍の使いもうろついていた」

そこまで言って、ナオミはシャンパングラスの中の残りをぐっと呑み込む。

「らしいな。まあ、彼も慎重だった。さすがにこちらの目はごまかせはしなかったが、
彼もその辺の事は織り込み済みの行動だっただろう」

男がようやく口を開く。
元々、ナオミは現職時代も退職後は実質的なボスの関係もあって、この男とは知らない関係ではない。


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