過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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169:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/09/20(木) 15:33:09.34 ID:1fyYv7RQ0
>>168

それが終わり、立ち上がって腕組み黙考していたナオミは、再び動き出した。
住居の中をうろうろと動き回る。壁の前に立ち、存在しない本を手にする。
キッチンに立つ、居間に戻り正座する、寝転がる。
色々と動き回ってから、居間で床に体育座りをした。

体育座りをして壁の一点をじっと見つめていたナオミは、
膝の間に顔を埋めて動かなくなった。
しばらく、じっとそうしていた。
ゆるゆると立ち上がり、天を仰いだ。黒髪が床へと垂れる。

「何故、そこまで?それが、男?それが、分かったから?共鳴?」

 ×     ×

「お嬢さん」

家主にお礼を言って平屋を出て、少し歩いた所でナオミは振り返った。
そこには、チェックのコートにベレー帽の骸骨の様に痩せた老人が杖を突いて立っていた。

「あなたは?」

ナオミの問いに老人が名刺を渡す。細筆の達筆だった。

「新聞記者」
「そう、歴史の真実を追い求め取材活動を続けておる」

ナオミが記憶を辿る。
確かにこの名前、セピア色を通り越した記事とセットでナオミのPCにもファイルされている。

「わしはかつて、地を這う様な取材活動によって真実を突き止めた。
それから幾星霜、新たなる展開を迎えた時もな、
そう、あの時も妙な娘っ子が探り回っていた様ぢゃったが、
もう少し、もう少しで真実に行き当たる所だったのぢゃ。
そして今又お主が現れた。あの娘っ子と同じ道行きで方々動き回ってのぉ、話していただけるかの」
「そう、あなたが」

ナオミは、静かに目を閉じた。


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