過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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188:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/09/28(金) 04:15:38.92 ID:k287Jim90
>>187

元お水だと自分でも言っている。かつてのドレスアップはむしろ清楚なイメージだった。
今は、生々しいぐらいに艶っぽくドレスアップして優美に情熱的にその豊かで伸びやかな全身を舞わせる。
そこには、恐らく自分の知らなかった、
その時間、女性として美しく成長する可奈を見て、そして手を取った者が。

それを思うと胸の奥で黒いものがチラリと燃え上がるのだが、
正面を向いた時、可奈のどこかうっとりとした微笑み瞳の輝きは全てを吹き飛ばして呑み込んでしまう。
吸い込まれそうな、只只ついて行く事しか出来ないぐらいに。

それでも、選曲が本格的アルゼンチンタンゴでなくて良かった。いくら成長したとは言っても、
どう考えても可奈相手にガチであれを踊るのは命懸けだ。いや、その価値は十分過ぎる程にある。
曲の終わりと共に、ポーズは惚れ惚れする程ぴたりとはまった。

想は、はっとして静かに手を離す。
もしかしたら間抜けに手を掴みっぱなしにしていたのではないか、とも思うのだが、
客観的な時間の感覚がどうだったのかついに分からなかった。
改めて二人で正面を向き合い、ぺこりと頭を下げて互いにくすくすと笑っていた。

 ×     ×

想は、促されるままバーカウンターの止まり木に着席していた。
カウンターに入っていた可奈が材料をステアし、グラスを置く。
配置と可奈の体の動きでよく見えなかったが、
想の見る限り出て来たものは一般にマンハッタンと呼ばれているカクテルである様だ。
チェリーの代わりにオリーブ、ややドライに寄ったチンザノ・ロッソの割合も好みである、が、

「水原さん」
「ん?」
「これ、何使いました?」

今回はここまでです。続きは折を見て。


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