過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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189:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/10/03(水) 04:23:47.89 ID:tzMxPPmP0
それでは今回の投下、入ります。

>>188

 ×     ×

「不味かった?」
「いえ、どちらかと言うと、と言いますかとても美味しいと言いますか」

ゴトンとカウンターに置かれた瓶。
硝子越しにも芳醇に匂い立つ様な琥珀色を包む、その流暢な筆記体のラベルに想は目を丸くした。

「ブッカーズじゃないですかっ!?」
「うん、ちょうど知り合いから安く手に入ったから」
「いやいやいやいや、とにかく、払いますからっ」
「あー、いいっていいって、て言うか、今夜の準備費用各種、
後で燈馬君の所に請求行く事になってるから、慰謝料代わりにね。当然だよね」

すっと真面目になった目で念押しされて、想はごくりと息を呑んで頷く。
それを見て、可奈はとても可愛く破顔した。

「だから、一本ぐらい奢ってあげる」
「信じられない事しますね」

立ち上がっていた想は財布をしまってすとんと座り直した。
そう、いつも自分にとって信じられない事をしてくれて引っ張り回してくれた、
それが水原可奈、善意と行動力の塊。それは自分に欠けていたもの。

「…怒った?」
「ここに座って下さい」

嘆息する想に可奈が言い、想は無愛想な声で隣の椅子を掌で叩く。
両手を外側に広げた可奈が指示に従うと、交替に想がカウンターに入った。
そして、カウンターからブッカーズの瓶を一度取り上げる。
瓶を戻した想は、まずはミネラルウォーターやソーダを突っ込んだアイスペールをカウンターに置き、
続いてグラスを二つ手にして可奈の隣に座る。

「ふーん、ウィスキー・フロート。お洒落じゃない」
「それじゃ」
「ん」

ふっと笑みを浮かべてグラスを持ち上げた想に可奈が倣う。


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