過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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193:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/10/03(水) 04:33:42.59 ID:tzMxPPmP0
>>192

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夜、想は首に巻いた襟巻きをくっと上げて階段を下りる。
その先、隅田川沿いの遊歩道では、一人の女性が鉄柵に腕を乗せて景色を眺めていた。

「何を見ているんですか?」
「橋を見ていました」

想に背を向けたまま、女性が答える。セミロングの黒髪に黒いライダースーツ。
女性である事は確かだが敏捷な印象を与えている。

「南空ナオミさんですか?」
「ええ。初めまして燈馬想さん」

遊歩道で、二人は向き合い言葉を交わした。

「どの様なご用件でしょうか?」
「事情があってあなたの事を調べさせていただきました」
「その様ですね」
「ええ。その事自体、恐らくはあなたの掌の上。
そういう手を打って来る事は予測していた筈です」

「そうですね。
事の深刻さや公共性を考えるなら、お願いしますはいそうします。
それで終わる相手でしたら僕も却ってお願いなんか出来ない」
「懸命な認識です」

ここで言葉が途切れ、改めて二人はじっと向き合う。
簡単に言ってしまえば、剣豪同士が鯉口に手を掛けて対峙している様なものだ。
さすがに、事前の知識もあってお互いを油断ならない相手と見据えている。

「少し歩きましょうか」
「ええ。今夜はやけに冷えます」

言葉通り、二人は白い息を吐きながら遊歩道を歩き出した。

「申し訳ありませんが、正確に把握する必要もあってあなた自身の調査に少々深入りした。
私自身の興味、と言ってもいいかも知れませんね」
「平均よりも少々波瀾万丈な要素の強い半生を送って来たと言う事は
少しは自覚しているつもりです」
「少々、かどうかに就いてはここではおいておきます。
取り敢えず、久しぶりに興味深い調査になった事は確かです」


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