過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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257:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/10/31(水) 17:37:05.29 ID:bXMuUyGS0
>>256

「エリーさん、どうしたんですか?」
「うん、近くまで来たものだから、って白々しいか」
「そうですね」

そう言って、二人は顔を見合わせてくすくすと笑う。

「仕事で東京に来たのは本当。
だけど、最短時刻でこのシチュエーションに到達するため
あなたが知ったら少々不愉快に思うであろう手段を幾つか用いたのも事実です」
「いえ、勝手に姿を消したの私ですから」
「そうね」

ばつの悪そうな可奈に、エリーはふっと笑って応じた。

「彼、帰って来てるわよ」
「え?」

と、聞き返すが、この二人でこの会話になった以上、該当者は一人しかいない話だった。

「向こうで色々あったみたいだけど、今、私の口からは言わない」
「そうですか」

「過去のあなたの選択について今何かを言うつもりはない。
そして、取り敢えず標準的な見方として、
あれは懐かしい思い出で終わるだけの状態にあなたがいるのであれば、
私も言うつもりは無かった」
「確かに…正直色々厳しいです」

可奈は虚勢をそぎ落とし苦笑いを見せる。
わざわざ訪ねてくれた大切な年上の旧友に今更虚勢を張るには、少々年を取った。
そして、この歳でそれ相応に苦労すると、
ほんの僅かでも友情の中に相手への値踏みが無かったと言えば嘘になる。

「だから、後はあなたの選択に任せる」

エリーが可奈に見せたのは、真ん中にウエディングドレス姿の美女が写っている、
懐かしい顔ぶれが勢揃いしている涙が出る様な写真だった。

「この時間をくれた、その事に大変な尽力をしてくれたのだもの」

エリーが、可奈に写真を握らせた。


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