過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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291:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/12/10(月) 22:50:12.54 ID:WnCwMl9N0
>>290

「そう。結論として出来る事は証明されたけど証明はされていない。
なぜなら、コンピューターで全てのパターンを解析した結果出来ると結論付けられたけど、
その過程の計算式は人間が理解するには余りにも複雑過ぎて
いまだもって人間が理屈で解説する事が出来ないブラックボックス状態だから。これで合ってるかしら?」

「構わないと思います」

「そう。日本の裁判の歴史を見ても科学のブラックボックスがあったみたいね。
法医学の最高権威を独占していた大学教授のある技術が、
本来必ずしも絶対ではなかったものを絶対視していた。
でも、当時最高の権威が最先端の技術であると結論づけていたために反証する事が出来なかった。
その結果、死刑を含む誤った有罪判決が何件も下された」

「決して、遠い過去の話ではない様です」

「人を裁く以上絶対を求めなければならないけど絶対こそが危うい事を知らなければならない。
それが司法に関わる人間が心得るべき事、難しい事だけど。
燈馬想とは何者か?この事件の調査を依頼された南空ナオミはその答えを追い続けた。
一見事件の本筋から外れる様でも、丸で吸い寄せられる様にね。
彼女は恐らく知っていた、そこに求める解がある事を。
それが刑事の勘、って言ったら少年は笑うかしら?」

「いいえ」

想は、静かに微笑み首を横に振った。

「優秀な刑事の勘は、その過程を外部から検証し難いだけで実に合理的なものです。
人間の脳は電子計算機など及びもつかない。優秀な刑事、職業人は、
その余りに複雑な計算式に自分の経験と情報を当てはめて必要な解を得ています」

「そう、南空ナオミは理屈の上でも優秀な刑事だった。
その上に、時に神懸かりと言える程の勘を発揮する捜査官だった。
四色問題が正しい事を経験で知る地図作り、漁師が五感で科学的に天候を予測する様に、
彼女は捜査の中で複雑に入り組んだ地図の中から
ゴールに辿り着く一本の道を掴み取る事が出来る、そういう捜査官だった」

その感覚は草薙も内海も理解している。自分達がそうであるかは別にして、
「刑事の勘」が、理屈で分からなくても決して馬鹿には出来ない。その事を経験則で知っていた。


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