過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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301:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/12/17(月) 22:42:13.41 ID:J1J7jJSn0
>>300

 ×     ×

「逮捕された三人は、おおよその所を自白しています」

落ち葉の群れが、ベンチの横を吹き過ぎる。
帝都大学のキャンパス内、そのベンチに掛ける湯川に内海薫が報告する。

「あの後、水原可奈と水原美里は富樫慎二殺害の容疑で、
燈馬想はその凶器を処分した証拠隠滅の容疑で逮捕されました。
何れ、自供に基づき燈馬想を死体損壊遺棄の容疑でも再逮捕する方針です」

 ×     ×

「その後で、燈馬君は買い物に出て、
帰って来てからは自分が呼ぶまで美里の部屋から一歩も出ない様に、
どうしてもトイレに行きたい時だけ大きめにノックをして欲しい、って。
それで、言われた通りにずっと待ってて、燈馬君がもういいって言って、
その時には、もう死体はなくて、美里が聞こうとしたけど、私が、止めた」

取調室でそこまで言って、水原可奈は頭を抱えた。

「本当なんです、自分がやった事ならもう喋っています。
でも、本当に私は知らないし美里も知らない筈なんです。
私、本当は私、力仕事は私が、なのに私…」

一度落ちた水原可奈は実に人間らしい普通の女性だった。
掌を見て震えている目の前の女性は、間違いなく、
まず水原可奈自身からの報いを日々受け続けている。
取調に当たった刑事も、捜査一課のベテランだけにその事をよく知っている。
それは生涯の苦しみでありそして一片の救いであると。

そして、燈馬想は既にその間の事をすらすらと供述していた。
その図面を言葉で再現するが如き供述の態度は、
捜一のヴェテランをして表現し難い狂気を再認識させるものだった。


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