過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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5:燈可奈弁 ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/09(木) 15:06:46.78 ID:gcH1Y9zQ0
>>4

「今、いくら貰ってるんだ?」

直截に尋ねた友人の声音は、心底不思議そうだった。

「あの会社の規模なら…お前の…」

そこまで言って、友人は想の柔らかな笑みを見て両手を外側に向ける。
こいつはそういう奴だった、と。

 ×     ×

「では、僕はホテルまで一緒に」
「ああ、頼むよ」

お開きの後、店の入口で想とそのボスが言葉を交わす。
そして、想は、社長からがしっと肩を掴まれる。

「燈馬君、ありがとう、本当に」

頭を下げる社長に、想は更に深く頭を下げ、社長は頷いた。
元請けとのトラブル解決で短期的な大打撃は避けられたものの長期的には危ない状態になった時、
想は、この工場の技術が、かつての学友が喉から手が出る程欲しがっている、
それも最上級になり得るものである事を把握した。

想の仲介により設備融資を含む大口の契約が成立した事で、
工場は以前より何割増しの安定収益を見込める事となった。
工場の社長は工員として叩き上げ熟練を「神の手」にまで極めながら
学問にも食らいついて来たスーパー職人で、だからこそ想の技術にも人柄にも惚れ込んだ。

想のキャリアを考えると、そもそも生きる糧の用意が必要かと言う意味においても、
工場としては破格でも想の元々の人脈が見れば逆の意味で目を剥く給与だったが、
想としては人にも仕事にも惹かれるものがあった、と言う事で現在に至っていた。

「おーい、トーマ」
「今行くからー、それでは社長」
「ああ、頼むよ燈馬君」

英語と日本語をちゃんぽんした想に、社長は穏やかに言った。


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