過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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87:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/29(水) 02:51:00.71 ID:7OWLv8JO0
>>86

「…嘘、だ…」

燈馬想が、最初から現実を否認した。
それは、燈馬想と言う定義そのものを否定する行為。
だが、無理も無いとロキは思う。

同じ目を見て来た同業者を、ロキは何人も知っている。
想のやって来た事の凄さ、重さ、ここで耐えられるとすると、それは最早人に非ざる存在だ。
座り直した想が、ノートを開きロキも又命を削ったその論文を改めてめくり始める。

「Q.E.D.」

最早時計の引き算も億劫になる時間が過ぎた後、
ノートには想が口にした言葉と同じ文字に二本のアンダーラインが引かれていた。

「気が済んだか?」

ロキの言葉に、想は小さく頷いた。

「やるねロキ、とてもエレガントな反証だ。実に美しい」

想は立ち上がり、日本式に頭を下げた。

「ありがとう、感謝するよ。僕には最高の…
何十年か後に大きな恥、下手をすると数学研究を何十年歪めた張本人として
歴史に名前を残す所だったんだから」

「断言してやる。俺がいなければ間違いなくそうなってた。止められたのは天才の俺様だからだ。
それだけ、迫っていたんだお前は」

ロキの言葉を聞いて、想は席に着いた。ロキは一つ舌打ちをする。

「一服してくらぁ、これも断言しておくが、最低でも十分はここには誰も来やしねぇぞ」

ロキが出て行き、ドアが閉じる。
吸わなかった葉巻の味を十分にイメージし負えたロキが教室に戻る。
下を向いていた想が、ロキに向けて顔を上げる。


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