過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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92:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/31(金) 14:56:08.96 ID:kOOSaGzk0
>>91

 ×     ×

エバは、余り愉快ではない来客と共に自動販売機まで移動した。

「あなた、その黒髪のルーツは?私には英語の達者な日本人にしか見えない」
「正解」

「アイシャの先祖は富裕な商人だったと聞いてます。
明治維新の混乱で発生した多額の貸し倒れに巻き込まれ移民したと。
彼女の高祖父は、大戦中失われた大隊の救出に加わり、家族を収容所に残して棺に勲章を捧げられた。
ここではよくある事だけど、アイシャも又、数学に関しては天才の称号に恥じない飛び級児だった」

「でも、彼女の学歴には断絶がある。デデキントとでも言うのかしら?
あなた、いや、あなたのパートナーや彼女達の世界では」
「この国自体が揺れていた、特に経済が、アイシャの実家もそれに巻き込まれた」
「それでもこの大学に辿り着き、めきめき頭角を現した」

 ×     ×

「グラフの対象、それが…」
「修行不足です」
「生きててすいません」
「出直して来ます」
「ごめん、それ無理」

数式を書き連ねた黒板の前で熱弁を振るっていたロキの前で、
集まっていた学生達がぞろぞろと解散していく。

「かあぁー、この程度で、最近の若いモンは根性が足りねぇ」

床にチョークを投げ付けるロキの側でくすくす笑っていたエバは、
学生の群れの跡にちょこんとたたずむ一人の女性に気が付いた。

「あなた…」

まだ少女と言ってもいい印象を残した小柄な女性は、
スタスタと黒板に近づくとチョークを手に取り、ぐーっと円を描いてから大小の円からその他の図形
黒板の余白狭しと書き込んでいく。


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