過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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96:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/31(金) 15:06:07.71 ID:kOOSaGzk0
>>95

 ×     ×

再びの学舎となったMIT。そこでのこれからの学友達。
初顔合わせの後、ピザ屋でちょっとした懇親会が開かれていた。
一通りの挨拶の後、想は空きテーブルの椅子に掛ける。

かつてを知る学友からは随分変わった、
やっぱり飛び級の天才君も、いっぺんハイスクールで青春するのも良かっただろう、と言われたが、
それはその通りだと思う。それでも、やはりこういうのは余り慣れない性分らしい。
そうやって、一息ついた想の前に敢えて着席する者がいた。

「燈馬想」
「君は?」

彼女は、想の質問に端的に答えてから言葉を続ける。

「年齢も人種も、キャリアも似通った所がある。だから、ここに来てから何度も比べられ、
その空想の中で何度もあなたに敗北した。
そんな事は別に気にしない。だけど、あなたの数学には大いに興味がある。
残された論文は、書かれた年代を考えると天才少年の称号を決して裏切らない。
そして、今回戻って来た、そのための論文は天才と呼ぶに相応しい人物が書いたもの」

「僕も君の事は知っている。ロキが教えてくれたからね。
ロキが数学の事で掛け値無しに賞賛する。それは十分信用に値する評価だ。
その前から知っている。Caltechでの君の証明。
その中身を見て、僕と同い年の素晴らしい数学者がいる事を知った。
中退したとも聞いたけど、ロキから教えてもらった懸賞論文もここでの研究の数々も、
君がこの世界に戻って来て、そして僕の学友で良かった」

いつしか、貸し切りだった小さな店はしんと静まっていた。

「素晴らしい研究生活になりそう」
「うん。よろしく、アイシャ」
「よろしく、燈馬」

どちらともなく差し出され、想が握った手は華奢で、柔らかかった。
それでも、ペンだこは確かなものだった。


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