過去ログ - 【咲】京太郎「夏休みだ!」みんな『――――またね!』【安価】
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413: ◆wQz2C0W.uk[saga]
2012/08/18(土) 19:59:19.41 ID:gElHquCu0

 健夜「それに―――麻雀を始めたのは、三年生だったし」


 京太郎「……一年で、ですか?」


 瞬間、膨れ上がる驚愕以外の何か。

 ここに来てから初めに感じた、少年らしい感情に眼を背ける。


 健夜「……うん。だからかな――もう、他の何にも、近寄れなくなっちゃった」


 京太郎「……凄いですね。一年で優勝したって事でしょう?」


 健夜「……なんでだろうね」


 特別違う家に生まれて、何があった訳でもない。

 ただ平凡な家に生まれて、平凡な環境に育って、どこにでもある気弱で灰色な青春を送って―――

 気付けば世界の頂点は、目の前で。

 目の前の世界最強と呼ばれている女性にも、勝てるのは明白だと、内心そう感じていた。

 そんな自分に気付いた瞬間―――とても恐ろしくなった。


 健夜「―――怖いんだ。自分が、それしか価値がないって認めるのが」


 京太郎「―――それは良かった。なら、価値はありますよ。価値を求められるってのは、それだけでも意味があるんですから。……それすらないなんて、本当にどうしようもない」


 健夜「……それでも。私は、麻雀しか周りに認められなかった」


 ……才能だけだ。私は才能に与えられるままに――いままで生き続けていた。

 ただ素質のまま勝って。

 いつのまにか、こんな歳になっていた。

 恋愛もしたかったし、友達とも遊びたかったのに。

 何一つ―――私はする事ができなかった。


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