過去ログ - 【咲】京太郎「夏休みだ!」みんな『――――またね!』【安価】
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481: ◆wQz2C0W.uk[saga]
2012/08/19(日) 20:22:01.91 ID:I2I/CX890

 周囲の視線を、急に痛いと感じる。

 心臓が痛い。肌が泡立つ。逃げたい。逃げたい。

 ……これは気心の知れた相手との戦いではない。

 先日の男同士でのとは違う。あの時はまだ余裕があった。だが―――今回の相手は違う。

 或る意味では発火剤。目の前の相手に、心が竦んでいる。


 まこ「ろう―――京太郎!?」


 京太郎「―――っ」


 ……明後日の方向に跳んでいた思考が、先輩の一言で引き戻される。……気付けば、俺は卓に付いていた。


 京太郎「……すみません、ちょっとボーッとしてて」


 いつの間にか賽まで回されていたのか、どうやら俺が親番らしい。掌を額に擦りつけて、脳を包んでいた靄をどうにか振り払う。―――ああ、本当に重症だ。


 智紀「これは雀聖の証……ナルコレプシー?」


 一「なるほど、あれが伝説の……」


 透華「本当ですの!?」


 京太郎「大嘘です!」


 照れ隠しに叫んで、配牌を見る。ともかく助かった、ひょっとしたら計算していたのかもしれないがボケてくれるたのは心底助かった。

 ……ああ、くそ、情けない。今日は天運が微笑んでいないらしい。

 ―――ただ、幸いなことに人の和はある。

 ……そうだ。そもそも、宮守のメンバーだって決してこのメンツに負けていない。

 あの空間は、蕩ける程甘いものだったけど。それだけじゃなく、俺達は別れもまた覚悟していた。

 だからこそ、本当に楽しくて―――アレを一生、誇りに思う事ができる。

 そして、これからも決してそれを忘れない為に―――今は、目の前の配牌に集中しなければ。



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