過去ログ - さやか「全てを守れるほど強くなりたい」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]
2012/08/14(火) 23:23:30.33 ID:Tq/b93SP0
† 8月3日
運命の出会いの日。
煤子さんは涙をぬぐった後、それはもう、その涙など無かったことにしたかのような強い顔立ちになると、地面にこぼれた黒い砂をかき集めはじめた。
土が混ざってもお構いなし。
とにかく一粒残さず集めようと、地面ごとかき集めては、どこかにあった分厚い袋に詰め込んでゆく。
煤子「いい、手伝わなくても」
手を貸そうとした私に、煤子さんは強く言った。
けれどすぐに“あ”というような顔になって。
煤子「ごめんなさい」
控えめに謝った。
自分でやりたいの、と後付けして、砂を集め終わってから、彼女は立ち上がった。
さやか(あ……)
自分よりもずっと大人に見えた煤子さんの背が、そう高いわけでもなかった事に私は驚いた。
けれど、膝のストッキングについた土を払う仕草は無骨ではない。
不思議な人、と見入るばかり。
煤子「私はね、美樹さやか」
さやか「は、はい」
ちょっとだけ高めの目線が私を見下ろす。
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