過去ログ - 京太郎「都落ちの地か…」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/08/14(火) 16:46:52.18 ID:hTeZCydK0
>>2 指摘ありがとう。早速やらかしたぜ…

俺、須賀京太郎が清澄から転校して早数ヶ月が経った。幸い転校先で特に悪い噂をされることは無く、平和な日常を送っている。

だが、決して清澄が平和でなかった訳ではない。麻雀部での日常は、俺にとってかけがいのないものだったのだ。それは間違いない。

その日常が崩れたのはインターハイの後…いや、それよりずっと前か。俺が咲を麻雀部に勧誘したあの時からか。

あの時は咲の家庭のことなんて知らなかった。俺にとっての咲は、引っ込み思案な文学少女だったから。そんなアイツしか知らなかったから。

だから、アイツがあんなに必死な顔をしてまで、白糸台に居るお姉さんの元へ行こうとするだなんて思わなかった。

俺はただ、身近な女の子だったから人数あわせで勧誘しただけだった。単に麻雀部が団体戦に出場出来るようになれば儲けものだと思っていたのだから。

俺の麻雀の腕はからっきしだから、それ以前に男だから、咲と一緒に麻雀で勝ち抜くことなんて出来なかった。

その代わり、出来る限りの雑用を引き受けた。出来る限りの方法で皆の力になりたい。その気持ちは確かなものだった。

だが、結局の所俺はいつも蚊帳の外だったのだ。麻雀において俺はあまりに無知であり、無力であった。

咲の隣には、常に和の姿があった。咲と和には、麻雀を通した確かな絆があった。それは、決して立ち入ることの出来ない二人だけの世界。

俺は、そんな二人の関係に嫉妬していたのかもしれない。何に対する嫉妬かも、未だにわからないままであるが。

インターハイ後の事は、まあ、なるべくしてなったことであろう。

確かに噂の通り、俺が下心で麻雀部に入ったことは否定できまい。決してそれだけではないと口にはしたが、耳を貸す者は殆ど居なかったのだから。

…だから清澄から、麻雀から離れたのは仕方の無いことだったのだ。止むを得ないことだったのだ。

そう自分に言い聞かせても、やはりこの胸に残る未練は如何ともしがたい。せめてもう一度、麻雀に取り組んでみたいという気持ちがある。

だが、今居る高校に麻雀部は無いのだ。そもそも、自分の気持ちをはっきり定めてすら居ないのだ。どうすれば…


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