106:>>105 ありがとう、使わせてもらいます。 ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/08/17(金) 04:04:52.60 ID:yeyu0jZa0
「やめろッ!!」
高山から伸びてきた手を思いっきり引っ叩く。
嘘だ、こんなところで俺はもう死ぬのか?
「高山君、やめて!」
「邪魔をするというのなら、容赦はしない」
「……細川さん、嘘ついてたの?」
「ち、違う……違うんだ、これはッ!」
「……少しでも信じた私が馬鹿だった。さよなら――」
「か、かりんちゃ〜ん!」
北条は一目散に階段を駆け上がっていった。
最後に俺のことを見た彼女の目は、中学生とは思えないほどに冷酷だった。
「俺は……俺はただ! ただ……」
ただ、なんだろうか。言葉が何も思い浮かばない。
「ここで俺に出会ったのが運の尽き、だったな……」
「う、うぐ……ッッ」
細身の体は、高山の手によってあっさりと持ち上げられる。首が絞められる音と、めまいと、さんけつと、、、、…………
(俺は、ここで死ぬんだ……)
いや、ここで死ぬべきなのかもしれない。
高山の言うとおり中途半端な覚悟でこのゲームに挑んでいたら、近くに居る渚さんや北条にも被害が及んでいたかもしれないのだ。
言わば疫病神的存在の俺は、ここで死ぬべき運命なのだろう。6のPDAの人には悪いが、俺にはもうどうすることも――
「やめてええぇぇ!」
(……なんだ? 体が急に楽になって)
「……ッ、ッ! はっ、ハァ! ハァ……ハァ!」
眩んでいる視界が一瞬だけはっきりとすると、少し横に仰け反っている高山の姿があった。
「忍くん、逃げて!」
くらくらしてよく分からないが、渚が時間稼ぎをしてくれているみたいだ。
細川はおぼつかない足取りで必死に走り出す。
「はぁ……はぁ……!」
ようやく五感がはっきりとしたときには、ホールの端まで辿りついていた。
(渚、さんは……?)
ふと、ホールの中央に視界をやると、そこには高山に押されている渚の姿があった。
「邪魔をしたら、容赦はしないと言ったはずだが?」 「くっ……!」
「渚さん!」
このままでは渚さんが危ない。
「逃げて! 私のことは置いて速く逃げなさい!」
「そ、そんな……!」
なんで、こんな嘘つきでクズな俺のために……ここまで――
「いいから速く!!」
(………………ッ!)
俺はどうすることにした? >>109(重要)
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