118: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/08/17(金) 12:41:23.99 ID:yeyu0jZa0
「…………ふぅ」
ここまでに緊張したのは初めてだ。東大受験での緊張が小さく見えてくる……。
「忍くん、大丈夫!?」
「な、渚さん……ありがとうございます。貴女のおかげで俺は……」
「ううん、全然いいの! でも、忍くんが無事でよかった……」
いつになく大人びた渚さんに見とれていた俺は、自分への罪を思い出した。
「……ごめんなさい!」
「し、忍くん、どうしたの〜?」
「俺、渚さんに嘘をついてしまいました……。JOKERだって……殺人が必要とされる条件だって知られるのが、怖くて…………怖くてッ!」
俺は大人げなくも大粒の涙を流してその場に膝を付いた。
嘘をついたという罪悪感と、悲しみ、怒り、全てが混ざっての涙だった。
「うん……辛かったね? 心が痛かったね?」
ふわっと抱きしめてきた渚さんの胸に、俺は頭を埋めた。
まるで母親であるかのような包容力のある渚さんの元で、細川は泣き続けた……。
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