過去ログ - 安価でシークレットゲーム
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266: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/08/19(日) 00:00:19.95 ID:9dvT95BT0
幸運にも、持っているルールは全て被ることはなかった。

分からないのはルール8のみであり、大まかなゲームの内容が分かってきた。

「くそ、犯人は俺達にこんな残酷な事を……!」

御剣君がゲームの残酷さに対して異常に怒っていたが、私は別のことに気が行っていた。

それは、ルール6の賞金についてである。

(このゲームで勝てば……!)

1億でもあれば、今の様な窮屈な生活を送らないで済む。

億という想像のつかないような金額に、私は釘付けになっていたのだ。

「目黒さん、どうかしましたか?」

矢幡さんに話しかけられて目黒は我に返る。

「いや、想像以上に厳しいゲームだと、思って……」

「まあ、これだけのお金が掛けられていますから、しょうがないでしょう」

どうやら矢幡さんは私と同様にこのゲームに乗り気なようである。

最も、他の人と比べて解除条件が平和なものだから楽観的なのだが――

「矢幡さんも、目黒さんも、このゲームが本当だと思っているんですか?」

「まだアンタはそんなことを言ってるの? いい加減目を覚ましなさい、このゲームは紛れもなく存在するわ」

矢幡さんは厳しい目つきで御剣君を睨みながら、言葉を吐く。

「私も、このPDAに載っている事は本当だと思うわ。ドッキリにしても、あまりにお金がかかり過ぎているんじゃないかな……」

ドッキリならばもう少し話がさっさと進んでいくであろう。

それに、この建物をドッキリの為だけに建てるなどあり得るはずがないだろう。

「…………」

御剣君は黙り込み、苦虫を潰したような顔をして俯く。

どうやら、彼はかなり正義感とやらがあるらしい……

「さて、無駄話はここらへんにして……私はもう先に進むわ」

「えっ、矢幡さん、1人で行くなんて!」

御剣君が驚いた様子で矢幡さんのほうを見ている。

まあ、矢幡さんは御剣君のことを毛嫌いしているようだったし、ルールもある程度揃ったため、もう1人行動してもで充分だと考えているのだろう。

「御剣、アンタは何もわかってないみたいね。このゲームでは、アンタの正義とか倫理なんて全く無意味なのよ。生きるか死ぬか――生きるためには、誰かを犠牲にしなければならない」

矢幡さんは今すぐにでも階段を上って行ってしまいそうだ。

私はこの状況でどうすれば良い?

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