299: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/08/19(日) 18:30:34.96 ID:2xwtSFRF0
(いや、ここで決めつけるのは早計ね……)
御剣君の言っている事の真偽はどうであれ、私は誰かと同行するためにずっとホールで待ち続けていたのだ。
ここでまた1人になってしまうというのは、あまり気が進まなかった。
(ちょっと、試してみようかしら……)
目黒はPDAをさっと取り出して、JOKERをQに偽装する。
「……じゃあ、これでも御剣君の意志は変わらない? 私のPDAは“Q”よ!」
十分に御剣との間合いを取ってから、目黒は御剣にPDAを見せた。
「ここで私を殺せば、御剣君は助かるのよ? ねぇ、これでもさっきと同じことが言える……?」
「はい、変わりません。むしろ、目黒さんの解除条件が平和的で良かったです……」
「…………」
御剣君の様子を見ていると、こっちがおかしいのではないかと思えてくるようだった。
Qが目の間に居るということに眉一つ動かさない上に、目黒のことを気にかけていたと言ってきた。
「目黒さんにPDAの番号を教えて貰えて、嬉しいです」
「……はぁ、御剣君には負けたわ」
「目黒さん?」
「ごめんなさい、実は私のPDAは……JOKERなの」
どうやらここまでくると、御剣君が言っている事は本当らしい。
「え、そうなんですか……?」
「うん、御剣君の言っている事が本当かどうか確かめたくて、嘘をついていたの……だから、ごめんなさい」
目黒は深く頭を下げる。
「ちょ、ちょっと目黒さん……頭を上げて下さい!」
御剣は困った顔をしてこちらをみていた。
どこまでお人よしなんだ、と思わず目黒は呆れてしまった……
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