358: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/08/20(月) 12:15:11.51 ID:y+nVlc5R0
新たに出会ったのは、陸島文香という受付嬢をしている女性だった。
目黒よりも年上であり、明るい性格のようだったのでとても救われるような気がした。
「目黒さんはずっと1人だったのかしら?」
「……実は――」
目黒は御剣や少女の事についての経緯を話した――
――――――
――――
――
「そう……」
陸島は顔を暗くして歯を食いしばっている。
彼女も御剣君と同様にこのゲームへ嫌悪感を抱いているようだった。
「私のせいで御剣君は……」
「ううん、それはしょうがないわ。誰だって窮地に立たされれば自分の命が一番大事だもの」
「陸島さん……ありがとうございます」
「文香、で良いわよ。歳も近い事だし、仲良く行きましょう?」
文香の優しい言葉に目黒の目頭は熱くなってしまった。
「えっ、そ、そんなに名前で呼ぶのが嫌だったかしら?」
「いえ、違うんです……。こんなに、人に優しくしてもらった、のが、かなり久し振りだったので……ッ!」
目黒は涙を拭っていると、文香が頭を撫でてくれた。
「色々辛い事があったのね……。でも、もう大丈夫よ。私が近くに居るから」
「はい……よろしくお願いします、文香さん。あと、私のことは奈央って呼んでください」
「えぇ、分かったわ。これからよろしくね、奈央」
涙が止まるまで、目黒は文香に抱き着いて泣き続けた……。
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