500: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/08/23(木) 01:28:46.42 ID:hdiF6eWI0
「……ッ!」
こちらへ近づこうとしていた矢幡が、目を大きくして突然角に隠れた。
その直後、銃声が背後から聞こえる。
「奈央さん、大丈夫ですか!?」
「さく、み…………」
あの咲実が拳銃を手に持って、トリガーを迷いなく引いている――
『……私は、奈央さんほどは無いと思います。でも、奈央さんの為だったら……撃てると思います!』
そうか――
咲実は、そんなことを言っていたな――
「痛ッ……咲実、早く、行きなさい」
血が流れている右腹を抑えながら、必死に立ち上がる。
約束通り、咲実はここで逃げるべきであるため、持っていたPDA2つを咲実に手渡した。
「奈央さんごめんなさい……私、約束破っちゃいます――」
「え……?」
咲実は手渡そうとしたPDAを押し返して、矢幡さんが出てこれないように銃弾を再び放つ。
そして、鞄に入っていたスタングレネードを取り出して、ピンを引き抜いた。
「そ、それは――」
それを使うと、恐らく咲実は人一倍長い時間を動けなくなってしまう。
しかし、咲実は躊躇無くそれを爆発する直前に投げた――
「奈央さん――」
銃弾がこないため装填していると見たのか、矢幡さんがこちらに姿を現した。
咲実がこちらを微笑みながら、口を開いた……
「奈央さんだけでも、生きてくだ――」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜
〜〜〜
〜
――痛い。
耳鳴りと目眩に加えて、腹部の痛みによって激しい吐き気に襲われる。
「そうだ、咲実が――」
周囲を見渡すと、倒れている咲実と矢幡さんが居た。
恐らく矢幡さんはほぼ零距離で食らったから、ダメージは大きいはずである。
「んん……」
矢幡さんはそろそろ目を覚まそうとしている。
「…………」
対して、咲実は全く動きが無かった。
この状況で私はどうする?(重要・要注意)
>>503
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