685: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/08/24(金) 01:01:43.12 ID:zIW1Ee7n0
入っていたのはルール4と7。
ルール4にはJOKERが特異であるということと、偽装の条件が載っていた。
ルール7には戦闘禁止エリアという新しい単語が載っていた。
(迂闊に攻撃するのは危険ってことだな……)
取りあえず戦闘禁止エリアというものがよく分からないため、それが判明するまでは戦闘行為は控えるべきだという結論に至った。
「……んん」
そうこうしている内に幼女が起きそうだったので、ひっそりとポケットにPDAを戻しておいた。
「お嬢ちゃん、名前は?」
「わ、私は……色条優希、です」
「優希か、良い名前だ。俺は梶原良介、よろしく」
サッと出した手を、色条は戸惑いながらも弱く握ってきた。
「……あの娘は、罠にかかったんだろう?」
「うん……かりんお姉ちゃんは、私を庇って…………」
どうやらあの少女は“かりん”というらしい。まあ、もう死んでいるのでどうでもいいのだが。
「そうか。……このゲームの事については分かっているのか?」
「ううん……どうすればいいか分からない、の」
恐らく自分の解除条件ですら、まだ気が付いていないのだろう。
なんとも愚かしい事だ、と俺は苦笑しながら煙草を吸おうとしたが、子供が近くに居るので止めた。
「まあ……かりんはもう戻ってこない。このゲームに参加している以上、ああいう事になるのは分かっただろ?」
「…………」
色条は無言で頷き、少し目じりに涙をためる。
「俺はもう行くが……お嬢ちゃんはどうする?」
正直、彼女のPDAを奪ったままにしておけばよかったと思った。
なに馬鹿正直に手元に帰しているのだ……と我ながら嫌気がさす。
「……ついて、いく」
色条は小さく声を漏らした。
「そうかい。それじゃ、行くぞ――」
一応気を利かせて、かりんの死体が見えない所から俺は部屋をでた……。
――――――
――――
――
今日はここら辺で終わります。
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