過去ログ - 安価でシークレットゲーム
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729: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/08/25(土) 01:05:06.82 ID:Yf/AOc980
手に入ったのはボウガン(矢5本セット)と、地図拡張機能のツールボックスだった。

子供にも分かるような丁寧な使い方の説明が載っているところから、主催者はこういった武器で俺達に戦闘をさせたいらしい。

また、地図拡張機能は部屋の名称が分かってよかったのだが、高山が抜けたことによりGPSが無いため、一々地図を良く見て行動しなければならなかった。

「優希ちゃんは、なんで良介君のこと、おじさんって呼んでるの〜?」

「んー……。だって、おじさんっぽいんだもん!」

「え〜そうかな〜? お姉さんは、お兄さんだと思うよ〜?」

「お兄さん…………ううん、やっぱりおじさんだよー!」

「……食事中くらい静かにしろよな」

相変わらずの携帯食料に、若干の飽きが出来てきた。

しかし、恐らくこの建物にあるのは同じような食べ物しかないのだろうから、我慢するしかあるまい。

「ほら〜、優希ちゃんがおじさんっていうから怒ったじゃな〜い!」

「え……そ、そう……なの?」

「別に怒ってねぇよ。さっさと食事を済ませて出発するぞ」

おじさんでも、おにいさんでも、なんとでも呼んでくれ、と投げやりに俺は答えた。

真面目に彼女らと話していると疲れるからだ。

「……おじさん、ごめんなさい」

「ん……いや、本当に怒ってねぇんだわ」

「ううん、おじさん、怖い顔してるもん……」

「ハァ……俺、よく真顔が怖いって言われるんだわ――」

そう言って色条の肩をポンと叩いて荷物を整理していく。

「やっぱり、私がついていくのが邪魔なの……?」

「…………勝手にしろっていっただろ」

俺は色条のほうを向かずに白々しく話す。

「……うん、勝手にする!」

色条はお気に入りのポーチに荷物を入れに行ったようだ。

「良介くんは不器用だよね〜?」

「さて、それはどうかな……」

「も〜う、なんで私とちゃんと話してくれないの〜?」

「お前さんの事は、よく分からねぇからな。知らない人間に自分のことをペラペラ話すのは、どうかと思うわ」

「……じゃあ〜これから仲良くなりましょ〜?」

「分かり合えることができたらな……」

正直、綺堂渚という人物がどういう者なのかというのが全くはっきりしなかった。

故に常に観察しているのだが、一向に本性を表そうとはしていなかった。

(まあ、しばらくは様子見だろうな……)

間もなくして、俺達は再び移動を始めた――

――――――
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